「ピーチ姫」主役のゲームがなぜ大人気?ディズニー一強の「プリンセス界」にマリオが殴り込みピーチ姫が主役の『プリンセスピーチ』は、これまでと何が違うのか(任天堂HPより)

ピーチ姫といえばマリオブラザーズで救出されるキャラクターというのが長らくのイメージであったが、いつの頃からかマリオと一緒に冒険する姿が自然となった。そしてこのたび、ピーチ姫を主役としたその名も『プリンセスピーチ』が発売され、予想外の人気となっているようである。プリンセスといえば従来はディズニーの独壇場だった。ここにピーチ姫が割って入る格好になるのか。(フリーライター 武藤弘樹)

幅広いピーチ姫展開
人気女性ブランドとのコラボも

 3月22日に発売されたニンテンドースイッチのゲームソフト『プリンセスピーチ Showtime!』(以下『プリンセスピーチ』)が思わぬ人気を見せている。各国Amazonの発売前の予約の段階では品切れが続出しており(現在はどこも在庫復旧済)、バカ売れしたというよりは任天堂の出荷不足が原因に見えるが、想定より売れたことは事実のようである。

 さて興味深いのは、このゲームの発売と同時になされたピーチ姫関連のグッズ展開である。マイニンテンドーストアなど任天堂公式のストアではグラス990円、ポーチ2,420円、パーカー5,940円と順当なラインナップだが、この他にジェラートピケやサマンサタバサとのコラボまで始まった。

 言わずとしれた若い女性向けの人気ブランドであり、プルオーバー&ショートパンツセット14,960円(ジェラートピケ)やハンドバッグ38,500円(サマンサタバサ)など、明らかに女児を振り切った成人ターゲットの価格帯である。なお、デザインはどれもピーチ姫要素が各ブランド流に咀嚼されていてとてもかわいい。

 ゲーム『プリンセスピーチ』が任天堂の予想を上回って売れたことと、このグッズ展開の手広さを併せて見るに、これはひょっとしたらほぼディズニー一強だったプリンセス界隈にピーチ姫が食い込む可能性は十二分にありえるのではないかと見ている。