ディズニー一強プリンセス界に
「ピーチ姫」が殴り込みか
『プリンセスピーチ』の内容はというと、マリオシリーズでヒロインとしておなじみのピーチ姫が主役を張ったアクションゲームである。ごくかいつまんで説明すると、ピーチが剣士や忍者など様々な役柄に変身しながら悪いやつをやっつけるものだが、ただ敵を叩いたりするようなゲームにお約束の暴力アクション一辺倒ではなく、たとえばパティシエに変身したらケーキを作り、探偵になったら謎解きをし……とバラエティに富んでいる。
ゲーム内容の評価については後述するが、難易度は低めで、明らかに低年齢女児や、ゲームに不慣れな女性向けに作られている。
アクションパートの他に女児・女子・女性を楽しませる要素が十重二十重に用意されていて、ピーチ姫の役柄ごとの変身シーン(ムービー)やドレスやリボンの着せ替えなどがある。
先に「ディズニー一強だったプリンセス界隈」と書いたが、プリンセス系とでも称すべきジャンルがあるとするなら、それはディズニーが時間をかけて開墾してきた領域で、女子や女性のお姫様願望とでもいうべき本能に直接リーチする代表的なコンテンツといえば、周知の通り主にディズニーであった。企業努力・ブランディングのたまものである。
そのプリンセス界隈に割って入ったのが任天堂有する代表的ヒロイン、ピーチ姫である。ディズニープリンセスと同じ「プリンセス」でありながらもプリンセス界隈にあまり干渉しようとしてこず、あくまで「任天堂コンテンツの中でプリンセス的役割を演じる」のみが、任天堂プリンセスのあり方だった。
しかし今作『プリンセスピーチ』では女児・女性がターゲットで、ディズニープリンセスと競合する姿勢が明らかになっている。全年齢的に人気のあったディズニープリンセスに対して、ピーチ姫も成人女性を見据えたグッズ展開を見せて、いよいよ全年齢的に対決していく様相である。