Netflixで3月21日から配信が始まった「三体」Netflixで3月21日から配信が始まった「三体」。才能豊かな5人の友が、天地を揺るがす恐るべき事実を発見。時空をまたぐ壮大なスケールで、科学の法則が解明され、人類存亡の危機が明らかになっていく Photo:Netflix

3月下旬に配信が始まった、Netflix版「三体」。中国ではNetflixは見られないはずなのだが、たくさんの人たちが何らかの方法で視聴しており、国営放送で取り上げられるほど話題になっているという。その評価は絶賛から酷評までバラバラで、人気作品の世界デビューに揺れる中国人の心を示すかのようだ。(フリーランスライター ふるまいよしこ)

配信地域ではないはずの中国大陸でも
Netflix版「三体」が大きな話題に

 3月21日、Netflixでファン待望の「三体」の配信が始まった。中国人作家、劉慈欣作のSF小説で、日本でも大ヒットした『三体』の実写映像版である。日本語タイトルは日本語訳書の『三体』のまま、英語では英語訳書の“The Three-Body Problem”を元に“3 body problem”というタイトルで、中国語世界では「3體」と紹介されている(本文では以下、「三体」を使用する)。

 ただし、劉慈欣の出身国である中国大陸ではNetflixは配信されておらず、中国語バージョンは主に繁体字を使う香港や台湾のユーザー向けの配信となる。だが、面白いことにNetflixのアカウントを持たないわたしがその配信開始を知ったのは、まさに中国大陸のSNS「微信(WeChat)」上だった。

 中国はNetflixの配信地域ではないものの、実際には留学や駐在などで外国での居住経験を持つ中国人は現地で取得したNetflixのアカウントをそのまま維持して帰国し、その後も課金を続けながらVPNなどのツールを使って所在地情報を書き換えて、引き続きリアルタイムにサービスを楽しみ続けている。

 また、そうやって視聴できる人たちの中から、配信映像をコピーしてファイル化し、中国からもアクセスが可能な共有サイトにそれをアップロードして無償公開し、希望者がダウンロードできる形での「シェア」が行われている。香港メディアによると、Netflixで「三体」の配信が始まってから、すぐに中国でファイル共有サービス「BitTorrent」を通じたファイルダウンロード回数が激増したことが報告されている。