また、あのかわいらしいキャラが「ちょっと気軽に」という感じで行こうとしている宇宙は、深淵の暗黒広がる広大で孤独な空間であり、はたして行き先として適切な場所なのかも危ぶまれた。宇宙の彼方に旅立ってしまったうーたんには、いよいよ未来永劫会えなくなりそうな別離の予感も、ファンの胸をざわつかせたのであった。

「待って、うーたん」
涙、涙のうーたんロス報告

 うーたんは、昨年すでにTV番組『いないいないばあっ!』の方は卒業していた。その発表があったときの視聴者の衝撃もトレンド入りするほど凄まじかったのだが、完全な卒業ではなく、関連のステージ公演『ワンワンわんだーらんど』への出演は続けたから、ファンは「公演に行けば会える。まだ本格的なさよならではない」とギリギリのところで安心していられることができた。一説には、抽選倍率2~30倍と言われている観覧困難な人気公演であっても、その存在はうーたんと紐帯を持ち続けたく思うファンの心の拠り所たりえたのである。

 しかし今年(昨年度)の卒業発表はこの舞台からをもいなくなるということで、いよいよのっぴきならなくなるのがファン心理である。うーたんを惜しむ声や、うーたんロスの報告が相次いだ。

 とはいえファンも皆大人なので、「うーたんまたね」といった言葉を添えて悲しさ、切なさを表明するのが主だった。しかし、中には正直に動揺を発信している人もいた。

 ある人は、同じくEテレの人気番組『ニャンちゅう!宇宙!放送チュー!』はニャンちゅうたちキャラクターが「月の放送カー」なる場所、すなわち宇宙から番組を発信するという設定であるところに目をつけて、「うーたんはそのままニャンちゅうの所に流れ着いて、そっちの方でレギュラー入りしてくれたらいい」と言った。

 またある人は、「待ってうーたん、『宇宙に行く』って何?唐突にそんな感じで終わってしまうの?」とストレートに戸惑いを表明した。

 往生際が悪いとも言えるファンのこうした発信は、他の多数のファンの心中を代弁するような内容も含んでいた。

 筆者を含むファンたちは、うーたん卒業に関する声を互いにシェアしあい、”うーたん完全卒業”なる大事件を受容しているさなかである。