この4月に入社2年目を迎えた新入社員は、“フォロー研修”で何を得たか?

コロナ禍での就職活動を経て、昨年2023年4月に企業・団体に就職した新入社員――「『フレッシャーズ・コース2023』を活用した自律型新入社員研修」の一環として、入社3カ月後と入社6カ月後に行われた“新入社員フォロー研修”の総決算として、今年2月に、“最後のフォロー研修”が行われた。「経験学習」を繰り返しながら、自分の「強み」や「良さ」を仕事にどう生かしていけばよいか――これまで同様に、研修会場を訪れた「HRオンライン」が、その学びの様子をレポートする。(フリーライター 狩野南、ダイヤモンド社 人材開発編集部、撮影/HRオンライン)

1年目を総括し、2年目に向けて弾みをつける

「企業・団体の新卒1年目の新入社員たちを対象に、2023年4月に行われた「『フレッシャーズ・コース2023(*1)』を活用した自律型新入社員研修」――この研修には、新入社員が内定期間中に学んだ教材「フレッシャーズ・コース2023」(以下、FC)を使用しながら学びを深める計3回のフォロー研修が設定されている。第1回は2023年7月、第2回は同年10月に実施され、その最後となる「第3回新入社員フォロー研修」が、2024年2月に都内某所で行われた。

 研修から1カ月で、23卒の新入社員は入社2年目となるわけで、今回用意されたテキストには、「社会人1年目を総括し、2年目に向けて弾みをつける」というサブタイトルが付いている。これまでの経験を振り返り、社会人2年目へのモチベーションをアップしていく研修プログラムのようだ。

*1 「フレッシャーズ・コース」(ダイヤモンド社)は、全7巻ワンセットの新卒内定者フォロー教材。毎月1巻ずつで計6カ月間の内定者フォローが可能になっている。

 今回も、これまでのフォロー研修同様、複数の企業・団体の受講者たちがひとつの会場に集まって行う「集合型」かつ「公開型」のスタイルだった。この日は10社44人が参加し、6人ないし5人のグループに分かれたが、できるだけ多くの「初対面の相手」と知り合うために、同じ企業の社員同士は同じグループにならないようになっていた。

 開始時間の午前10時、過去2回のフォロー研修でも講師を務めた内山厳さんが登壇した。

 内山講師が「“フォロー研修”の受講は『今回が初めて』という人はいますか?」と問いかけると、半分ほどが手を挙げた。初めての参加者が多いからかもしれないが、皆が、やや緊張気味にみえる。内山講師は、受講者の緊張をほぐすように、「この研修は、リラックスして、異業種の人たちとリアルな思いを交換する場です。多様な視点を取り入れて、いろいろ話しながら学んでいきましょう」と、柔らかいトーンで語りかけた。自己紹介をし合い、いまの気持ちを共有する「チェックイン」など、語り合う時間が増えるうちに、受講者は少しずつ、お互いに打ち解けてきた様子だ。

 まず、「FC」の付録「コミュニケーション・ペーパー(*2)」内のページのコピーが受講者たちに配られた。「コミュニケーション・ペーパー」とは、内定期間中に、人事担当者と内定者がコミュニケーションを図るためのツールで、「FC」の内容に沿った設問に内定者が答えるかたちで構成されている。第2回のフォロー研修では、「入社後にしたいこと、身につけたいこと」を受講者が記したページのコピーが配られたが、今回は、「FC全巻を読んで印象に残った言葉を用いて、入社から1年たった未来の自分に書いた手紙」のコピーが用意された。その“自分への手紙”を再読し、さらに、それらをグループ内で閲覧することで、活発な意見交換が行われていく。単に1年前の自分の思いを振り返るだけではなく、他者の意見を聞くことで、現在の自分の立ち位置がつかみやすくなるのだろう。社会人1年目を総括するにあたって、とても効果的な導入だと、私は思った。

*2 「フレッシャーズ・コース」は、巻ごとの課題に即した「コミュニケーション・ペーパー」が付録になっている。その「コミュニケーション・ペーパー」のやりとりで、人事担当者(採用担当者)は、内定期間中に内定者と交流が図れる。

23卒の新入社員が入社後3カ月の“フォロー研修”で学んだことは…

併せて読みたい!
新卒社員の入社6カ月研修レポート(「HRオンライン」2024年1月25日配信)

入社から6カ月時点の“23卒新入社員の成長”を研修から読み取る

「モチベーションアップ、離職防止」というテーマで行われた第2回のFCフォロー研修(2023年・秋開催)。あらゆる企業の、さまざまな職種に就く、入社半年の新入社員たちが一堂に会して行われた研修の模様を「HRオンライン」がレポートする。