海外のアプリなどを利用すると、番号の前に「+」がついた国際電話に見える番号を取得することもできます。この場合、通話料金で利益を得られるわけではないので、規制が始まって詐欺に使いづらくなった「050」の番号の代わりとして利用することが目的と見られます。

固定電話を解約し、犯罪者との接触手段を断つ

 ナンバーディスプレイを入れ、自動通話録音機を取り付け、見慣れない番号には「出ない・折り返さない」を徹底するのは基本ですが、さまざまな番号から何度も電話がかかってくることがあります。

 おそらく、あなたの自宅電話番号が記載された名簿が出回っているのです。煩わしさだけでなく不安な思いを抱くようなら、思いきって固定電話を解約するのも手です。スマホだけで十分に用が足りるなら解約を検討してみましょう。

 固定電話を解約できないのなら、電話番号を変更する方法もあります。変更後の番号は限られた関係者だけに伝えるようにしましょう。104番号案内への登録と電話帳の記載は、特別な理由がない場合は希望しないほうがよいでしょう。

「特殊詐欺」にだまされる人・だまされない人

 特殊詐欺犯から電話や手紙・ハガキなどで接触があったにもかかわらず、被害者にならずに済んだ方もいます。

「被害にあってしまった方」と「被害を回避できた方」には明らかな違いがありました。

「被害にあってしまった方」の多くは、日頃から「自分は被害にあわない」と考えていたのです。「自分は大丈夫」という思い込みや、「すぐに見抜ける」という過信が、詐欺を見抜く目を曇らせたといえます。

 さらに、この「思い込み」や「過信」は、「他者へ相談する」という発想をも摘み取ってしまいました。被害者の多くは、誰にも相談することなく一人で対処していたのです。

家族や周囲も警戒心を持つ

「自宅にいることが多い」「固定電話などで接触が可能」「老後のために蓄えたお金を持っている」高齢者は、特殊詐欺を企む犯罪者に狙い撃ちされる存在です。

 高齢者は自分自身が狙われている存在だということを決して忘れてはいけません。高齢者だけではなく、家族や周囲の人間も「高齢者は狙われる」と常に警戒し、定期的に連絡を取って変わりがないか確認しましょう。