「なぜできないんだ!?」(Why?)
「いいからやれ!!」(Do it!)
というスタンスよりも、
「(我々は)どうすべきだろう?」(How?)
「一緒に考えてみよう」(Let's?)
という「ともに考え、行動を促す」スタンスなら、相手のやる気に加えて一体感まで醸成できる効果が見込めます。注意や指導をする際には、「自分がされたらどう感じるか?」という観点で、普段から顧みておきましょう。
部下を叱るときに
注意すべき3つのポイント
誰かを叱ることも、時には必要です。そんなとき、注意しておきたい3つのポイントがあります。用例も踏まえながらご紹介していきます。
(1)相手の「人格」ではなく、「行動」を指摘する
例)目をかけていた入社3年目の部下の提出物が、期待値を下回るものだったとき。
NG「入社3年目なら、このくらいはできないとなぁ……」
↓
OK「この資料はこんな感じに仕上げてほしかったな。君には期待していて、今後も大事な仕事を任せたいから、キャッチアップしてほしい」
例)部下が提出物の期限を守らなかったとき。
NG「本当にいい加減な性格だな!」
↓
OK「チームで決めた約束は守ってほしいんだ」
(2)相手を責めるのではなく、自分の感情を伝える
例)部下が自分の指示したこととは違う行動を取ったとき。
NG「なんでそんなことをするんだ!? ふざけるな!!」
↓
OK「そういうことをされると、本当に残念な気持ちになるよ……」
(3)抽象的な表現を避け、具体的に伝える
例)他の部員の手がふさがっているのに、部下が電話を取らなかったとき。
NG「皆忙しいんだから、電話ぐらいちゃんと取れよ!」
↓
OK「お客様をお待たせすると印象がよくないので、電話が鳴ったら3コール以内に取ってほしい」

新田 龍 著
例)任せた仕事が完了できなかった部下に指導したいが、心が折れるので傷つけないように指摘したいとき。
NG「仕事なんだからちゃんと計画を立てて、締め切りに間に合わせないとダメだろう! そんな状態だから、次のステップの仕事も任せられないんだ」
↓
OK「半年前と比べると、企画業務まで任せられるようになって嬉しく思う。ここからさらに次のステップの仕事を任せるためにも、スケジュールを立ててから計画的に仕事を進められるようになるといいね。そのほうがこちらとしても仕事ぶりを把握しやすいから」
どうでしょうか。言い換えることで、ニュアンスが大きく変わり、前向きに捉えられるばかりでなく、相手からの信頼度、親密度が増すことは間違いありません。ぜひビジネスのみならず、日常生活でのコミュニケーションにおいても「共感」をクセ付け頂くことをお勧めしたいところです。