それは「アブラの酸化」です。
アブラは酸化が進むと変色し、固形化するという性質があります。
このアブラの変容こそが、肌トラブルの根本的な原因だったのです。
肌のアブラの酸化が進むと、ピーンとはりついたアブラに変わり、まるで肌にラップをかけた状態になり、そのラップ膜が水分を弾いてしまうのです。
クリーム、オイル、ジェルなどは一時的にしっとりした感覚にはなりますが、つけるほど油膜が増えていきます。
そしてその油分は酸化していくわけです。
……もう、おわかりですよね?
そう、油分に頼るほどラップ膜が増え、水分がなじまず乾燥状態に陥ってしまいます。
乾燥、かゆみ、赤み、かさつき、シワといった肌トラブルがあっても、必要な水分を肌の内部に送り込んであげることができないのです。
さらに恐ろしいことに、アブラはターンオーバーのさまたげにもなります。
アブラは肌表面、角質の間、毛穴の中に存在し、肌の保護や角質をつなげる糊(のり)となる役割がありますが、酸化し固形化が進むと、接着剤のように固まります。
肌表面には膜ができ、角質はがっちりと固められ、毛穴の中では詰まりが生じます。
自然とはがれていくはずの古い角質がはがれず、ターンオーバーが乱れてしまいます。
「いくら保湿しても潤わない」「角質を取りたくてもうまくいかない」と、どんなに努力を重ねても結果が出なかったのは、アブラの劣化が改善されていなかったからです。