Suno AI、Sonauto、Udio~楽曲生成AIの三つ巴の戦い

 2023年の生成AIの話題といえば、チャット系や静止画生成、そして、後半から動画生成に注目が集まっていた。しかし、今、最もホットなのは、楽曲生成AIではないだろうか。

 MicrosoftがSuno AIと提携して、Bingに1日3曲まで無料で楽曲生成できるサービスを開始したこともあるが、誰もが気軽に試すことができて、結果も画像ほどバラツキがなく、周囲の共感も得やすいのは、音楽や歌が持つ特性ゆえといえるだろう。

 この分野で先行したのは、SongRというサービスだったが、より高度な楽曲スタイルの指定が可能で、歌唱のクオリティも高いSuno AIの登場によって、すっかり株を奪われてしまった。

 そして、Suno AIの独走が続くかと思われたところにSonautoが現れ、その後を追うようにUdioがサービスを開始、三つ巴の戦いが始まった。まずはユーザー層の拡大を目指すためか、特にSonautoとUdioはベータ版的な側面も強く、生成に失敗することも少なくないが、その分、無料で利用でき、楽曲生成数の制約もほぼないに等しいので、いろいろと試すには都合がいい。先行するSuno AIも、無料プランでも1日5回(1回あたり同じ歌詞で2曲)計10曲作れる、つまりBingからの利用よりも多いので、試用には十分といえる。

 それぞれの特徴はキャプションに書いたが、今後は互いのメリットも取り込みつつ進化を続けていくと思われるので、興味のある方は無料のうちに色々と試して、自分に適したサービスを選ぶと良いだろう。

Suno AI歌唱付きのリアルな楽曲生成AIとして定評のあるSuno AI。日本語の歌詞もサポートされ、2分程度の曲であれば、有償プランのユーザーが利用できるv3で一度で生成できることもあって、使い勝手の点でも優れている 拡大画像表示
Sonauto日本語歌詞には未対応だが、ボーカルと各楽器パートを分離して保存する機能を標準で備えたSonauto。他が1度に2バリエーションの生成であるのに対し、3バリエーションが生成される点にも独自性がある 拡大画像表示
Udio音の深みやボーカルの表現力の点で、他の2つを凌駕する最新楽曲生成AIサービス。生成済みのパートに対して前または後に曲を伸ばしたり、イントロ、アウトロを追加生成できたりする柔軟性を持つが、1度に生成される長さが30秒ほどなので、曲の完成までにやや手間がかかる 拡大画像表示

 ちなみに、同じ歌詞を基に三つのサービスそれぞれで作った楽曲を、こちらにアップしてあるので、参考にしていただければ幸いだ。