ご近所のマウンティングは「外観」で防ぐ

 ひとつの場所で長く平穏に暮らすためには、地域コミュニティーの一員として、近隣住民と良好な関係を構築することも重要です。

 近隣トラブルを抑止する意外な方法が、「家の見栄えをよくすること」です。あなたの家に上がる機会も、顔を合わせてじっくり話す機会もほとんどないご近所の人たちは、あなたの「人となり」を家の外観で判断します。

「安っぽい家ですね」と遠回しに言われてマウンティングをされるといったケースも実際にあるようです。家を建てるときはどうしても内装に気が向きがちですが、自分と家族の「顔」になる外観や外構にもしっかりこだわりましょう。予算を抑えながら意匠性を出すためには、自分のセンスに合った住宅会社を探すのがコツです。

 ライトや門、木や芝生といった建物周りの景色(「外構」)の設計・施工は一般的にオプション扱いなので、建物とは別で住宅会社に相談する必要があることには注意してください。それを知らずにマイホームの建設を進めてしまい、資金計画になかったため大問題になるケースも多くあります。

「天井は高い」部屋は人を幸せにする

 家の良しあしを判断しようとするとき、私たちは間取りを熱心に見ます。しかし、平面図では見えづらい「天井の高さ」という要素も、実は生活の質を大きく左右します。

「カテドラル効果」という用語があります。これは、大聖堂(カテドラル)のような天井の高い空間に入ると、人は創造的になり、開放感を感じ、滞在時間が長くなるという心理現象のことを指します。

 一般的な一戸建てやマンションの天井高は2.4mで設定されています。一方、タワーマンションの最上階付近で売り出されるプレミアム住戸の天井高は2.85mや3mなど高く設定されていることが多いです。天井を高くすることで自宅でもカテドラル効果が生まれ、空間の快適さが増すということは、建築業界ではよく知られているのです。

 家の構造にもよりますが、天井を高くするのは実は簡単です。少しの工夫で20~30cm引き上げることができますし、工賃も数千円程度に抑えられる場合もあります。2.4mという数字は業界ではあまりにも当たり前で、住宅会社側から天井高の意志確認をされることはほぼありません。家を建てるときは自分から相談を持ち掛けてみるとよいでしょう。