部下が困っている時、二流のリーダーは「具体的な指示を出す」→では一流のリーダーは?優れたリーダーは「見えないところ」で部下をサポートするだけでなく、「見えないところ」で自分自身の仕事にも工夫を重ねたり、自分を整えたりしている(写真はイメージです) Photo:PIXTA

できるリーダーと聞いたとき、皆さんがイメージするのはどんなリーダー像ですか?これまでに3万5000人以上の管理職の方々に、コンサルティングやセミナーを行ってきた吉田幸弘氏は「できるリーダーほど“見えないところ”を大切にしている」といいます。そこで今回は新刊『リーダーシップは「見えないところ」が9割』(青春出版社刊)から、優秀なリーダーほど大切にしている「共感型リーダーシップ」について抜粋して紹介します。

「指示命令型リーダーシップ」の限界

 リーダーは、組織のなかで先陣を切って部下を率いていく存在――かつてはそう思われていました。しかし、外部環境の変化のスピードが激しい昨今、リーダーのあり方が変わりつつあります。

 高度経済成長期には、経験豊富なリーダーが数年後を予測して動いていましたが、今は正解がない時代です。リーダーの経験や考え方のみにとらわれるのは、非常にリスクが高いと言えるでしょう。加えて、業務の細分化、ITの浸透などにより、リーダーが部下に対して全知全能でいることが難しくなりました。これまでのやり方が通用しなくなってきているのです。

 従来のマネジメントは、リーダーがトップダウンでどんどん指示命令を出していく「指示命令型リーダーシップ」が主流でした。