奇抜なファッションセンスが注目され一躍人気者になった作家、志茂田景樹氏は現在、要介護4の車いす生活を送っている。「昔は良かった」と過去を振り返る人も多いなかで、83歳の志茂田氏が「常に今が最高」と語る深い理由とは。本稿は、志茂田景樹『生きる力 83歳車いすからのメッセージ』(エムディエヌコーポレーション)の一部を抜粋・編集したものです。
年齢は関係ない
今が最高だと思って生きる
今の自分をダメだと思うな。
今を生きているんだから、今の自分がいちばんなんだ。
すべては今から始まるんだから、今の自分を信じろ。今を大切にすることで、過去は未来に貢献してくれるものなんだ。
今の自分を大切にできているか。
あなたが16歳でも、76歳でも、それには歳は関係ない。
今の自分を大切にしているかしていないかに、年齢は何の関係もありません。
過去を大切にするのもいいでしょう。素敵な過去は、宝物のように大事にしまっておこう。
取り出したいときは自分で取り出して、楽しくて幸せだったそのときの思い出のなかに入ればいいじゃないですか。
たとえ嫌な過去でも、捨てないでしまっておくことです。今を生きていれば、嫌な過去にも学ぶことが生まれ、今を充実させることだって大いにあり得るでしょう。
充実させるということは、未来に対して、いい感じでつながるということではないですか。
素晴らしい過去も嫌な過去も、そんなふうに扱ってみれば、今の自分に大いに役立つはずです。
過去は、引きずるだけでは意味がありません。あのときにああすればよかった、なんてことは思わないほうがいいでしょうね。そう思ったら、思っただけで負けですよ。それはそうでしょう。過去は、修正ができないんだから。
ああすればよかった、なんて思うだけで、自分の命をつまらなく消耗させていることに気づきましょう。
どうにもならないことを悔やむなんて、いい加減やめようじゃないですか。
今なんだよ。今の自分が何を考えて、どうするかに尽きるんです。
今は未来のために使うものです。
そのために過去を役立たせるのです。
どんな過去も、ないがしろにしてはいけません。
未来を考えるときに、それはとても役立ってくれますよ。
今を大切にすることで、これからの自分がいい感じで芽生えてきます。
今をとても大事にして肯定的に生きるのなら、過去は良い未来に押し出すために役に立ってくれるでしょう。とても貢献してくれますよ。
今83歳の僕は、お陰様で素晴らしい過去も楽しい過去も、おぞましい過去も嫌な過去もたくさんとってあるんです。
健康に大きなハンデを持っているけれど、ハンデがあって自由に行動ができない分、それを補ってあまりあることを、多彩多様な過去から教えられています。そして、ハンデを負う以前より、未来に期待、希望を膨らませることができていると断言できます。
今が最高だ、今が大事だ。
それさえ理解できれば、人生はいつも活き活きしてくるものなんです。
みんな、今だぞ。