サラリーマンが不動産投資、「高利回り物件」に飛びついた人の悲惨な末路写真はイメージです Photo:PIXTA

不動産投資で物件を購入する際、初心者はどんな物件を選んだら良いのだろうか。不動産投資家のたまっちが、知識ゼロの35歳サラリーマンの平太郎くんに不動産投資のノウハウを伝授する。本稿は、たまっち『最短5年で家賃年収1000万円になる方法 あなたにもできる不動産投資のススメ』(清談社Publico)の一部を抜粋・編集したものです。

1棟目に買うべきは
賃貸中の戸建物件

―月曜朝のアズマベーカリー。平太郎はたまっちと出会ってから、不動産賃貸業の勉強に日々精を出すようになった。満員電車の車内で押し潰される毎日を甘んじて受け入れていた平太郎だが、いまは違う。その瞳は希望の光に輝いていたのであった。

平太郎「たまっちさん!毎日勉強して不動産賃貸業のこともだいぶわかってきたので、そろそろ実際に物件探しを始めたいです!」

たまっち「おっ、今日はいつになくやる気に満ちあふれてるね!」

平太郎「いろんな書籍を読んで、たくさんの人が不動産賃貸業でFIREしていると知りました。そうなるとうずうずして、『こうしちゃいられねぇ!』という気分なんです。それで、どんな物件を探せばいいんでしょう?」

たまっち「僕のおすすめは、予算300万円程度でオーナーチェンジ(賃貸中)の貸家。つまり、あらかじめ入居者がついてる戸建(一軒家)を買うことだ」

平太郎「戸建ですか!?最初から一棟アパート購入をすすめる本も読んだんですけど……」

たまっち「最初の物件としてオーナーチェンジの戸建をおすすめする理由のひとつは、できるだけリスクを抑えて不動産賃貸業を始められるからなんだ。アパートより少ない投資金額で買える戸建なら、手持ちの現金で買えるので借金のプレッシャーもない。万が一、『自分に賃貸経営は向いてない』と判断したときの撤退も容易だし、損失額も限定される」

平太郎「たしかに大借金をして、事業に失敗したらダメージも大きすぎますね。僕、大博打で人生を狂わせたくないです!」

たまっち「2つ目の理由は、人が住んでいるという実績が住宅の質を担保するからだ。流通する貸家には、空き家か賃貸中の2種類があるけど、僕の肌感覚では売り出し物件の9割は空き家だ。この空き家のなかには傾いていたり、廃墟寸前だったりするような物件も含まれる」

平太郎「ボロボロでは住むのが難しそうですね」

たまっち「たとえば、高齢のひとり暮らし女性が亡くなったあと、相続した息子夫婦がいたとする。その夫婦は別のマンションに暮らしていて、相続した家をそのまま放置したなら、ものすごい勢いで建物の老朽化が進行する。そういったボロボロな物件なら50万円で買えることも珍しくない」

平太郎「戸建が50万円!激安じゃないですか!」