ムダなことにあえて「本気で」取り組もう
――仲間をつくるための「最初の一歩」の踏み出し方とは？
元楽天イーグルス創業メンバー対談
【小澤隆生×南壮一郎】（その3）

周囲を巻き込む力は「社長力」のカナメ

南壮一郎（みなみ・そういちろう）
1999年、モルガン・スタンレー証券に入社。2004年、幼少期より興味があったスポーツビジネスに携わるべく、楽天イーグルスの創業メンバーとなり、初年度から黒字化成功に貢献。2007年、株式会社ビズリーチを設立。エグゼクティブ向けの転職市場に特化した、日本初の個人課金型転職サイト「ビズリーチ」を運営。2010年、プレミアム・アウトレットをイメージしたＥＣサイト「LUXA（ルクサ）」を開始。2012年、ビズリーチのアジア版「RegionUP（リージョンアップ）」をオープン、2013年2月、ＩＴ・Webスペシャリストのための仕事探しサイト「codebreak;（コードブレイク）」ベータ版をオープン。

南 ところで、現在のＹＪキャピタルのお仕事では、いろいろなステージのベンチャー企業の経営者や起業家に会われていると思います。そのときに、仲間集めや仲間探しでアドバイスをすることはありますか。

小澤 アドバイスすることはあまりないですね。逆に、仲間集めが上手な人に投資しています。

 実はきのうも投資先の2社に来てもらって、社長さんの起業話を聞きました。聞いていたら、2人とも仲間集めに成功していて、仲間にものすごく助けられているんです。とくに創業時における仲間は、起業家と同じリスクを背負っています。そういう人を集められるかどうかは重要なポイントです。

 まずは、仲間を集める人自身が強い「想い」を持つこと。その想いを、口説く相手に対してちゃんとプレゼンテーションできること。さらにいえば、その人が次の伝道師となって、別の仲間を集めること。そういう波及効果をつくらなければいけません。僕は、それができている会社に投資したいと思っています。そういう会社は、何をやっても強い。仲間をつくれるというのは、社長の持つべき重要な素質の一つでしょうね。