戦略とモチベーション――最高の仲間と、ずっと「文化祭」を

 仲間に声をかけていくときの戦略には、どのようなものがあるのでしょうか。

小澤 仲間集めにはすごくシンプルな戦略と、もう少し緻密な戦略があると思います。僕は大学の頃からIT企業をつくろうと決めていたから、プログラミングのできる人と出会うためにIT企業に入ったというのがシンプルな戦略です。そこで会社をつくりたい人を募ったんですね。

 さらに、手は挙がっていないけれどすごくいいヤツがいたら、こちらから忍び寄るんです。「仲間になろう」と。これが緻密な戦略です。自分に欠けているものを正確に把握して、欠けているものを持っている優秀な人を仲間に引き入れる。たとえば法律の知識に欠けているのなら、優秀な弁護士さんに対して、お金を払って雇用するのではなく、「仲間になってくれ」と。「俺はこんなにすごい夢をみんなと実現しようと思っている。どうですか?」と話をしていく。

 小澤さんが行ってきた創業時の勉強会や楽天イーグルスの立ち上げなど、何がその原動力になっているんですか。

小澤 僕は、自分がどんなときに幸せを感じるかを自己分析しているんです。その結果わかったことを継続していれば、自分はずっと幸せでいられるからね。僕が幸せを感じるのは、お酒を飲んでいるときや旅行をしているときなど、いろいろあります。

 そのなかのひとつに、自分が企画したり、友達と「こういうのをやろうぜ」と企てたりしたときに、関係してくれた人たちが「これはよかった。本当におもしろかった」と言ってくれるときが幸せというのがあるんです。「やってよかったね」という、あの瞬間がたまらないんだよね。つまり、僕は「文化祭」をずっとやっていたいんですよ。そして、早く打ち上げがやりたい。打ち上げが僕の原動力なんです。

 だから、僕のプロジェクトはだいたいショートスパンです。なかなか継続しない。だいたいお尻が決まっているほうがいいんです。それは僕の癖でしょうね。

 そこはおもしろいですね。

小澤 癖ですよ。ふり返るとずっとそうなんですよね。