最近話題になっているHTC製のスマートフォン「Dual Diamond」(S22HT)。iPhoneより小さなボディーで人気を集めているが、今後、iPhoneの牙城を崩せるか? |
昨年、「iPhone」が登場して以来、スマートフォン市場がますます熱くなっている。
それまでは、どちらかというとPDA的なスタンスの端末が多かった。パソコン配列のキーボードを搭載して、パソコンのサブマシンとして使うのに向いた製品が中心だったのだ。
特に大型の「EM・ONE」や「W-ZERO3」など、手帳的なサイズの端末がヒットしていた。
ところがiPhoneの登場以降、「タッチによる操作が受け入れられた」と見たためか、一般の電話機に近い小型モデルが増えている。
フルキーボードを搭載している機種が相変わらず多いのだが、キーサイズを含めて小型化しているのだ。正確に言うなら、タッチとキーボードの両立を狙ったモデルへと変わって来たと言えるだろう。言い換えれば、「iPhoneほどは割り切れていない」わけである。
アメリカでは、多くのユーザーがフルキーボードの入力に慣れていて、メールを打つためにスマートフォンを買う人が多い。ビジネスパーソン以外の高校生や主婦でも、普通にスマートフォンを使っている。
ところが日本では、“スマートフォンはビジネス向き”という売り方をして来た。仕事に使わない人は、10キーによる入力が染みついており、あえてスマートフォンを使う必要がないからだ。
iPhoneが登場して半年以上経つが、いまだに「メールが打ちづらそうですね」という声をよく耳にする。慣れてくればそれほどでもないのだが、確かに最初は打ちづらいだろう。
ところが一方で、加速度センサーを採用したゲームや指で描くお絵かきアプリを見せると、誰もが「楽しそうですね」と、目を見張らせる。
ビジネスパーソンは、スマートフォンのPDA的な機能に興味を抱き、他のユーザーは楽しく使えることに魅力を感じているのだ。つまり、数の多い後者が積極的に使い始めてこそ、“ヒット”と呼べるだろう。
今や携帯電話は、電話としてよりも、メール端末として使う頻度のほうが増えている。実際に、通話よりメールによるコミュニケーションの回数が上回っている人が多いはずだ。