正解は2

解説 これは実際にあった事例です。2015年9月に上場したブランジスタ(6176)が、AKB48・乃木坂46など有名アイドルのプロデューサーとして知られる秋元康氏を迎えたスマホゲーム開発をしているとのことで、Twitter(現・X)などのネットかいわいがざわつき出しました。

これを日本経済新聞が報道すると、500円台の株価は1000円台に突入。2016年5月16日には1万5850円もの高値をつけました。

実際に発売されたのは、当時人気絶頂のAKB48グループなどとコラボレートした景品をそろえたバーチャルクレーンゲーム「神の手」。

スマホアプリを使ってバーチャルなクレーンゲームで遊べて、獲得した景品が実際に自宅に届く仕組みでした。

実態のない“期待感”
だけで株価が急騰

秋元康氏がプロデュースするスマホゲームであり、「課金率100%のゲームで、課金のみで年間1200億円の売り上げが見込める」とブランジスタが説明していたことから、株価が急騰したのですが、発売後は期待したほど業績が伸びることがなく、株価は急落しました。

実際に大人気ゲームになり、業績が急拡大するかどうかは、発売前にはわかりません。

しかし、「秋元康」という大看板は、投資家に大きな期待感を抱かせるには十分で、このゲームに対する期待は発売前から高まり、それにより株価は急騰したのです。

あえて株価急騰の
トレンドに乗って儲ける

もとの株価から20%程度上昇したところで買うのであれば、もしこの投資が失敗したとしても、もとの株価に戻った段階で損切りすればマイナス20%程度の損失で済みますから、短期的なトレード感覚でチャレンジするのはアリです。

期待の高まりから株価が予想以上に伸びる可能性も高いわけで、どれだけの人気になるか、まったく想像できないからこそ、あえて投資家の期待感による株価上昇に便乗するイメージです。

こうした商品・サービスが発売される前の期待感による株価上昇に便乗するときは、実際に発売されるまでに売買の決着をつけることが大前提です。

売るタイミング
2つのポイント

ブランジスタの事例でいうと、新ゲームがリリースされるまで、投資家の期待感だけで株価が上がると予想して株を買います。

売るタイミングは、新ゲームのリリース前に時価総額1000億円を超えるか、リリース前に投資家の期待感が薄れて、株価が伸びなくなったと判断したときです。

いずれにしても短期的な目線での売買になりますから、株価チャートをみながら、投資した時点での株価からマイナス20%が損切りの目安です。

リアルタイムで
時価総額をチェック

どれだけ長く売りのタイミングを引っ張ったとしても、ゲームの発売当日まで

発売日以降も株を保有し続けるとしても、商品・サービスの内容と売上高の推移(売上高ランキングなど)を、その会社のリアルタイムの時価総額と比較検討して判断しなければなりません。

そのためには株価チャートの「日足」をチェックして売るタイミングを判断します。

ポイント 投資家の期待感による株価上昇に便乗するときは短期目線で損切りラインを決めておく

【新NISAにも役立つ】小型株集中投資の達人が教える…株で勝てる人だけが知っている「短期勝負2つの売り時」

※本稿は『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円 【1問1答】株ドリル』(ダイヤモンド社)から一部を抜粋・編集したものです。