この「勉強の本当の効果は、勉強している本人には実感しにくいことがある 」ということは、重要なポイントです。

 繰り返し教材を読むほうが、なんとなく効果があるように感じてしまうため、同じ勉強法を続けてしまうのは、時間がもったいないので気を付けなければいけません。

僕が医学の知識を覚える時に使った「白紙勉強法」とは?

 ここで、僕が医学の膨大な知識を覚えなければならない時に使ってきた、そして今でも使う「ブツブツつぶいて教えるフリをしながら書き出す白紙勉強法」を紹介します。長ったらしい、大そうな名前を付けてみましたが、いたってシンプルな勉強法です。

 用意するものは次の3つだけです。

(用意するもの)

・自分の勉強したい情報:英単語帳、学校の教科書、資格試験の参考書、興味のある分野の本、新聞雑誌など

・白紙:要らないノート、使わないプリントの裏など(僕は、プリンター用紙をよく使いますが、何でも構いません)

・書くもの:自分の好きな書き心地のペンや鉛筆(ちなみに、僕はZEBRA社のSARASA Clip 0.5をよく使っています)

 やり方も、いたってシンプルです。

 単語のリスト、教科書の章や段落、新聞や本など、覚えたい情報をまず読みます。その後、その情報を見ないで、覚えたい内容を、白い紙にできるだけ書き出していきます。

 その際のポイントは、元の情報を見ない、つまり記憶の手掛かりがない状態で、頑張って記憶から内容を引き出すことです。

 アクティブリコールの劇的な効果を示したカーピックらの行った研究でも、学習者がしたことは、学んだ内容をただ紙にできるだけ書き出す、パソコンにできるだけ打ち出すというとてもシンプルなものでした。

 あとに残すためのノートを書くわけではなく、ただアウトプットするためだけなので、文字を綺麗に書く必要はありません。僕はもともと字が汚いので、このアウトプットの書き出しは、自分でも読めないくらいの字で書きなぐることがあります。