幸せを手に入れるたった1つの方法

 幸せは、むしろ、手放すことで訪れました。一度は諦めた欲望や自分に対する過度な理想、世の中はこうあるべきといったこだわり……、これらすべてを手放すこと。

 これこそが、ありのままの自分と世の中を見つめて、自分の人生のハンドルを握って幸せに向かう近道なのです。42歳でパーキンソン病と診断され、65歳を過ぎた今、改めてそう思います。

 行き過ぎた理想を手放してみたら、自分にも他人にも寛大になれました。お互いを思いやり、愛する方法を学ぶこと。

 ともすると、真の大人になる道のりは、その寛大さを学ぶ道のりかもしれません。

 そして、心の平穏と幸せとは何か、本当に大切なことは何か、人生とは何か──、そんなことを学ぶ過程でもあるのでしょう。

(本原稿は『もし私が人生をやり直せたら』から一部抜粋、追加編集したものです)