バンコクで見た「ピックアップトラック」注目モデル
その1:BYD「BAO 5」(中国)

 2023年第4四半期のEV販売台数でテスラを抜き、世界1位となった中国メーカー・BYD。同社もタイ市場に向け、ピックアップトラックを出展していました。

 このBAO 5は、145kWの1.5リットルガソリンターボエンジンに、200kWのフロントモーター、285kWのリヤモーターを組み合わせたPHEVです。バッテリー容量は31.8kWhと、プラグインモデルとしては容量が大きいのが特徴。このプラットフォームはデュアル・モード・オフロード(DMO)と名付けられ、今後の発展が期待されています。

その2:GWM「パワーサハラ」(中国)

 中国の大手メーカー・GWMは、2022年に海外販売台数が100万台を突破するなど高い実力を誇ります。そのGWMも、BIMSにピックアップトラックを出展しました。

 パワーサハラは、2リットルのガソリンエンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車。「全長5メートル・全幅2メートル・重量1トン」というスペックは、タイ国内で人気のサイズです。マッサージ機能付きのシートを備えるなど、インテリアも豪華な仕様となっています。ちなみに、アルファベット表記はPORE SAHARとなります。

その3:ビンファスト「ワイルド」(ベトナム)

 ビンファストは、ベトナム最大の財閥系コングロマリットであるビングループに属する自動車メーカー。ビングループには不動産、ホテル、リゾート、教育関連の企業から病院まで含まれており、実に多彩なラインアップです。

 その一角・ビンファストの創業は2017年。ビングループがGM(ゼネラルモーターズ)のベトナム国内の工場を買収して自動車製造を始めたのがきっかけです。当初はエンジンモデル専業メーカーでしたが、現在はEV専業メーカーへと大きくシフトチェンジしています。

 そんなベトナムの新興企業がBIMSに出展したピックアップトラックEV「ワイルド」は、全長が5324mm、全幅が1997mmというサイズ。あくまでコンセプトカーですが、同車はデジタル技術見本市「CES2024」にも展示されて注目を集めており、実用化すればタイ以外の国でも普及が期待できそうです。