解散の有無にかかわらず
6月は政局になる

「とにかく総裁選挙をどうクリアしていくか、そこから逆算して、すべての布石を打っているというのが現状。解散という手段も視野に入れながら、総裁選挙に出馬しそうな人たちの戦力分析も同時にやっていると思う」

 これは、文化放送の全国ネット番組「ニュースパレード」で政治の動きを解説している後藤謙次氏の見立てだ。後藤氏は岸田首相に近く、その言葉には、首相の側近が語る言葉以上に説得力がある。

<6月の日程>
 6月 1日     4万円の所得税、住民税の減税開始
   12日     東京都議会閉幕
   13日~15日 G7サミット(イタリア)
   20日     東京都知事選挙告示
   21日     通常国会、事実上会期末(実際は6月23日が会期末)

 筆者も同様に、解散があろうとなかろうと、6月は岸田首相にとってギリギリの判断が迫られる日々になると見ている。

 衆議院の解散に踏み切れば、どれだけ議席が目減りしそうか、内閣を改造するならどのタイミングがいいか、さらには、総裁選挙でライバルとなりそうな有力者の動きなどを見極めながら、総裁選勝利に向けての戦略を固める時期になりそうだ。

 冒頭に触れた二階氏の話に戻れば、二階氏の座右の銘は、「風吹かば吹け 浪立てば立て」だ。百戦錬磨の老獪な政治家らしい政治信条である。果たして岸田首相はどんな心境で6月を迎えようとしているのだろうか。

(政治・教育ジャーナリスト/びわこ成蹊スポーツ大学特任教授 清水克彦)