秘書たちが語る
岸田首相の6月解散説
では、6月解散はあるのだろうか。
「昔、鳩山由紀夫元首相を『宇宙人』だとか『頭の中がお花畑』なんて言う人もいたけど、岸田さんは鳩山さん以上の『宇宙人』。今の様子だと、6月解散はなくて、内閣改造人事が近い気がするけど、岸田さんは本当にわからない」
「普通に考えれば、解散は秋でしょ。衆議院3補選(東京15区、島根1区、長崎3区)で事実上全敗して、公明党だって『うん』と言わないでしょ。でもね、続投意欲満々の岸田さんは、解散しなければ『座して死を待つ』ことになるから、どう判断するかだね」
これらは、自民党衆議院議員の秘書の言葉である。4月のアメリカ公式訪問の後、朝日新聞や毎日新聞、それに共同通信社などの世論調査で、政権への支持率が微増したのを受け、電話取材した際、聞かれた言葉だ。立憲民主党衆議院議員の秘書も口を揃える。
政局が近づくと、衆参両院の議員たちは自分の立場でモノを言うようになるため、誰に聞くかによっては、今後の流れを見誤ることがある。自民党の各派閥が解体し、二階氏のような、政局の流れを作る演出家が不在となった現状ではなおさらだ。
その点、言葉は悪いが、こういうときに「使える」のが秘書たちの声である。党派を超えた横のつながりがあり、「自民党議員の元秘書が今は野党議員の秘書」というケースもあるので、これからの政局を読む際には「議員だけでなく秘書に聞け!」なのだ。
その結果、得られた結論は、「6月解散の可能性は低い」「内閣改造はあり得る」「岸田首相自身は補選に全敗しても、へこむどころか意欲満々」というものである。