もう1つの大転換は、「ご本人の意思によって、治療方針を決定する」ということが、確立されてきた、ということです。

 これまでは、ご本人の希望と、家族の意見が食い違う場合には、「息子が(娘が)そう言うなら……」と、家族の意見が優先されることも多かったのです。

 ところが、政府が「『人生の最終段階』では、治療方針は本人の意思に沿って決定される」とはっきり示したのです。誰に遠慮する必要もなく、自分の意思で、自分の最期の段階の生き方を決める時代になったのです。

「死ぬときぐらい 好きにさせてよ」は、まさに今、実現しているのです。

 ご自分の考えや希望を、何度もご家族に伝えましょう。医療関係者やケアマネジャーさんなどにも、伝えましょう。

 できれば、紙に書いて、電話機の横や、ドアなどに貼り出しておきましょう。

 これが、いざという時に「残された人たちに迷惑をかけない方法」です。

「本人がこう望んでいるのだから……」と、みんなが一致した方向で動くことが、一番後悔が少なくなるのです。