部下を動かすリーダーは「叱る時間帯」まで意識している部下を動かすリーダーは「叱る時間帯」まで意識している(写真はイメージです) Photo:PIXTA

できるリーダーと聞いたとき、皆さんがイメージするのはどんなリーダー像ですか?これまでに3万5000人以上の管理職の方々に、コンサルティングやセミナーを行ってきた吉田幸弘氏は「できるリーダーほど“見えないところ”を大切にしている」といいます。前回に続き、新刊『リーダーシップは「見えないところ」が9割』(青春出版社刊)から、部下のパフォーマンスを最大限に引き出す「部下ノート」について抜粋して紹介します。

部下のモチベーションを上げることは不可能!?

「部下のモチベーションを上げるには、どうしたらいいでしょうか」という相談をよく受けます。また、そのような講演の依頼も多くあります。

 しかし、これまでさまざまな企業で人材育成のお手伝いをしてきて言えるのは、「部下のモチベーションを100%上げる方法はない」ということです。

 最初からがっかりする話で申し訳ありません。

 そもそも人間の動機づけには、「外発的動機づけ」と「内発的動機づけ」の2種類があります。「外発的動機づけ」とは、昇格・昇給など、自分の外側からもたらされる動機づけのこと。一方、「内発的動機づけ」とは、好奇心や関心、仕事の楽しさなど、自分の内側からもたらされる動機づけのことです。

「外発的動機づけ」は短期的には効果があるのですが、長続きしないという特徴があります。そこで、「内発的動機づけ」を高めていく必要があるのですが、部下の将来やりたいこと、どんな仕事をする時が楽しいかなどを把握し、その希望に沿った仕事をしてもらうのがいいでしょう。