◆ステップ1 感情を整える
叱る際の失敗で最も多いのが、「怒る」になってしまうことです。「叱る」と「怒る」の違いは、前者が部下の行動改善のためであるのに対し、後者は自分の感情の発散、悪い言い方をすると自分のストレス解消のためと言えます。
そうならないためにも冷静である必要があります。
そこでまずは、怒りに振り回されないよう、感情をフラットに整えます。
「部下ノート」などを見て、叱る対象である部下のいい点を思い出します。このプロセスを踏むことで、「失敗した部下を憎まない。今回の行動がよくなかっただけだ。行動改善をしてもらえばいいのだから」と考えるようになります。
◆ステップ2 場所と時間を選定する
叱る時は1対1がよいでしょう。またできるだけ早く叱るのが鉄則ですが、できるなら火曜日から木曜日の午後1時から3時の時間帯がいいでしょう。
このタイミングをすすめるのには、理由があります。
週の初めである月曜日に叱ると、落ち込みながら仕事をスタートすることになりますし、午前中に叱ると一番能率が上がる時間帯をムダにしてしまいます。また、人は叱られたあと、取り返したいと思うものです。週の終わりである金曜日や夕方に近い時間帯に叱ると、落ち込んだまま業務が終了し、取り返すことができません。
そこで一番いいのが、月、金を避けた午後の1時から3時なのです。このタイミングなら、「次は取り返すぞ」と別の仕事をしたりして引きずらずにすみます。また、昼食後で眠くなったり比較的能率が下がる時間帯なので、作業をするより打ち合わせなどに適しているというメリットもあります。
このように、部下を動かすリーダーは「叱る時間帯」まで意識しているのです。