◆ステップ3 シナリオをプランニングする

 叱る時は、思いつきで話すのではなく、どのように伝えたら効果的なのかを、事前に組み立てておくことが肝心です。ここでは2つのポイントを挙げておきます。

(1)順番を決めておく

 叱るうえで重要なのが「順番」です。

 いきなり改善点を指摘されると、イラッとする部下もいるでしょう。

 あるいは必要以上に落ち込んで、蛇に睨まれた蛙のように萎縮してしまう部下も出てきます。解決方法を考えようとすることができなくなり、ひたすら「すみません、すみません。以後気をつけます」と繰り返すばかりになってしまいます。

 叱るのは、部下を責めることが目的ではありません。そもそも誰しも叱られるような失敗をしたことは反省しています。これ以上反省させても意味はありません。

 そこで、叱る際の話の順番として、「ねぎらい→事実確認→要因のヒアリング→改善案の検討→ヒントを出す→回復させる(レジリエンス)」で進めていきます。

(例)
・ねぎらい……「A社の件、大変だったな」
・事実確認……「今回、お客様との食い違いはこうだったよね」
・要因のヒアリング……「どの点が問題だったのかな?」
・ 改善案の検討……「今後はどのように対応していこうか。また同じようなミスをしないためにはどうしたらいいかも考えよう」
・ヒントを出す……「メールのやりとりをドキュメントで残しておくのはどうだろうか?」
・回復させる(レジリエンス)……「よし、次からはそうしよう。頑張っていこう」