部下はリーダーにとって、お客様と同じです。お客様との関係が良好になり、発注が増えれば、営業マンの成績もアップします。同様に、部下が成績を上げれば、チームの成績も上がり、リーダーの評価も高まります。

 このように書くと、「部下に媚びを売らないといけないのか」と言う方がいらっしゃるかもしれませんが、そういう意味ではありません。部下のことを把握して、最大限のパフォーマンスを発揮してもらえるようアシストするのです。

「部下ノート」には、次のようなことを書いておくといいでしょう。

 ・部下が大切にしているもの ・働く理由 ・夢や目標 ・日々の不安 ・得意なこと、不得意なこと ・趣味 ・喜んでいたこと、怒っていたこと ・部下が取った素晴らしい行動(プロセス)

 特に、部下が取った素晴らしい行動を記録しておくことは効果的です。たとえば部下にイライラした時や叱らなければいけない時などにも「部下ノート」を読み返すことで、感情をクールダウンするのに役立ちます。

叱るにも「準備」が必要

 最近では、叱るとひどく落ち込んだり、下手をすると退職をしてしまうかもしれないと思って、部下を叱らないリーダーが増えています。

 しかし、部下を叱らないとむしろ退職する部下が出てしまう、と言ったら驚かれるでしょうか。

 Z世代の部下の退職理由の上位に入ってくるのが、「成長できない環境だと思ったから」という理由です。「今の状態では将来に不安を感じる」と、成長できる環境の職場に転職してしまうのです。

 また、ネガティブなフィードバックでも、部下にきちんと伝えないと成長につながらず、同時にチームも成長できません。だから叱る必要があるのです。

 叱って失敗してしまうのは、単に「叱り方」がよくないからです。

 部下をうまく動かせるリーダーは、この点を強く意識して、叱る「準備」をしているのです。

 準備には、大きく分けて3つのステップがあります。