そもそも「親権」「共同親権」とは?
世間の空気から生まれた誤解
親権とは、子どもの監護や財産を管理する権限であり、日本では離婚すると父母どちらかの「単独親権」となる制度を取ってきた。日本の場合、離婚で親権を取るのは9割が母親であり、これは育児分担率が母親に偏っている現状を反映している(※)。
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今回成立した「共同親権」は、基本的に離婚後も父母の双方に親権を持たせるもの。しかし、DVや虐待があると認められ、裁判所が「共同親権は無理だ」と判断したケースについては単独親権となる、とされる。
間際になって議論が噴出したように感じる人もいるかもしれないが、「共同親権」に賛成・反対する人たちは、これまでどちらもネット上などで活発に意見を発信してきた。法案に反対するオンライン署名は4月時点で22万筆が集まっている。
これは私見ではあるが、これまで報道はどちらかというと法案賛成、あるいは両論併記の姿勢が多く、そして世論はどちらかというと「共同親権の方が良いのでは?」という空気が強かったように感じる。
しかし、ついに法案が通過してしまう間際になって反対派の意見が広がりを見せたのは、これまで長らく誤解されてきた部分があるからではないか。
共同親権でなければ共同養育(監護)できないという、うっすらとした誤解である。
共同親権に賛成寄りの立場を示す人がSNS上で、「共同親権になれば離婚した親ももっと育児に関われるようになる」という趣旨の投稿をしているのを見かけたことがある。例えば、主に育児を担う側の親が忙しいときに、もう片方の親が子どもを預かってあげるなど、といったように。