ニッキー・ヘイリー氏は米大統領選でドナルド・トランプ氏の伴走者となるだろうか。常識では考えにくいことであり、トランプ氏は先週、その可能性を否定した。しかし、それでは大きな政治的機会を逃すことになる。両氏は2人合わせれば勝利に不可欠な三つの要素を持っており、手を組むべきだ。
一つ目の要素は、資金調達能力だ。ヘイリー氏が副大統領候補になれば、絶対にトランプ氏を支持しない「ネバー・トランパーズ」と呼ばれる人たちの多くが方針転換してトランプ氏の支持に回り、その結果、共和党全国委員会の財源が増えることになる。今年の大統領選予備選で、かつてジョージ・W・ブッシュ氏やジョン・マケイン氏、ミット・ロムニー氏を支持した共和党主流派の献金者たちが小切手帳を手にヘイリー氏への支持を表明したことで、舞台は整っている。登録有権者を対象にマーケット大学ロースクールが最近実施した世論調査によると、ジョー・バイデン大統領との1対1の対決を想定した場合、ヘイリー氏なら支持率で16ポイント、トランプ氏なら2ポイントの差をつけて勝利するという結果になった。筆者は、トランプ氏とヘイリー氏の組み合わせなら、バイデン氏とカマラ・ハリス副大統領のコンビよりも6~9ポイント有利になると考えている。