SNSなどでもよく見かける「マウント」という言葉。
「マウンティング」の略称で、相手に対して
自身が優位な立場だと誇示する意味合いで用いられる言葉だ。
名門高校出身、著名人と知り合いだ、タワマンに住んでいるなど、
誰もが一度はこのようなマウントを受けたことがあるだろう。
実は、入社して1~3ヵ月くらいは、
新入社員が社会人として最初にマウントを食らう時期でもある。
ビジネスマナーは大切だが、人間関係において欠かすことのできない
「マウンティングのお作法」についても、
ビジネスパーソンとして早いうちに身に着けておきたい。
そこで、話題の書籍『人生が整うマウンティング大全』の企画・プロデューサーである勝木健太氏と
『入社1年目の教科書』の著者・岩瀬大輔氏が、
社会人として「マウント」とどう向き合い、対処していけばいいのかを語り合う。
(撮影/佐久間ナオヒト、構成/和田史子)

66万部突破のベストセラー『入社1年目の教科書』『入社1年目の教科書 ワークブック』著者・岩瀬大輔氏
『人生が整うマウンティング大全』企画・プロデューサー・勝木健太氏写真右:66万部突破のベストセラー『入社1年目の教科書』『入社1年目の教科書 ワークブック』著者・岩瀬大輔氏 写真左:『人生が整うマウンティング大全』企画・プロデューサー・勝木健太氏

「けしからん」と思っていることを言語化している

『人生が整うマウンティング大全』著者・勝木健太氏勝木健太(かつき・けんた)
株式会社And Technologies代表取締役
株式会社アンドプラネット代表取締役
1986年生まれ。幼少期7年間をシンガポールで過ごす。京都大学工学部電気電子工学科を卒業後、新卒で三菱UFJ銀行に入行。4年間の勤務後、PwCコンサルティング、有限責任監査法人トーマツを経て、フリーランスのコンサルタントとして独立。約1年間にわたって国内大手消費財メーカー向けに新規事業・デジタルマーケティング関連プロジェクトに参画した後、2019年6月に株式会社And Technologiesを創業。2021年12月に全発行済株式を株式会社みらいワークス(東証グロース:6563)に譲渡し、執行役員・リード獲得DX事業部 部長に就任。執筆協力実績として『未来市場 2019-2028(日経BP社)』『ブロックチェーン・レボリューション(ダイヤモンド社)』がある。

勝木健太(以下、勝木) どういうきっかけでこの本(『人生が整うマウンティング大全』)を知ったのですか?

岩瀬大輔(以下、岩瀬) 友人の経営者からすすめられたんです。
自意識過剰かもしれないですけど、読んでみると自分に当てはまることが多くて。

「海外移住マウント」「質素マウント」「古典芸能マウント」「ダボスマウント」など、ほぼあてはまるので、僕のことを知っている人で、昔、僕が嫌なことをした人が書いたんじゃないかと周りから言われたくらいです(笑)。

外資系コンサルティングや金融機関など、一部のコミュニティで盛り上がるような内輪に受けるものだと思っていたら、Xの反応を見てみると、結構みんなおもしろがっていて。

勝木 読んでいただきありがとうございます。

岩瀬 みんな「けしからん」と思っていることを見事に言語化しているところがいいんですよね。
あと、あっという間に読めるのに、記憶に残るんです。しかも読むと語りたくなる。
読むのに時間がかかって、読み終えたらすぐに忘れてしまう本もあるのに。

勝木 実は制作には2年間ぐらいかかってます。
たしかに「ダボス」はニッチですが、岩瀬さんのような知的エリート層が絶賛していたら、マス層である一般の人たちも読んでみたくなるかなという、ある意味「トリプルダブル」を狙った建て付けになっています(笑)。

岩瀬 「これって僕らしかわからない話なんじゃないか」みたいな話がたくさんありました。だから「よくもまあ~(言ってくれたな)」という(笑)。ちなみに、これ僕の話じゃないですよね?

(編集部注1:ダボスとはダボス会議のことで、世界じゅうの政治や経済のリーダーが一堂に会し、グローバルな課題を話し合う会議のこと。スイス東部の保養地ダボスで毎年1月に開催されている。
編集部注2:岩瀬氏はXで「気候変動を議論しにプライベートジェットで参加していることを揶揄されるダボスですが、会場間の移動に長靴に履き替えないでいいのは今年が初めてです」と、『人生が整うマウンティング大全』に対し、高度なダボスマウントネタを投稿している)