whyを使って
「ムッとされる」のはどんな時か?
Whyを使って苦い思いをしたことは、僕にもあります。高校生の時、学校のアメリカ人の先生に使ってしまったのですが、その先生は運動会の日に授業に来る予定はないはずだったので、次のように聞いてしまいました。
なぜあなたは今日ここに来たのですか?
これは「なぜ」をハッキリ聞くことで、相手が「責められている」と感じてしまう英語なのです。そのアメリカ人の先生は親切な方だったので、一生懸命英語で聞いた僕をねぎらって普通に答えてくれましたが(テストの採点に来たとおっしゃっていました)、当時から「通じればいい」ではなく、より相手と深く信頼を築く英語が使いたいと思っていたので、一瞬、その先生の「ためらい」を肌で感じたのです。
これは、次のように言うとより丁寧です。
(S)What (V)brought (O)you (M)here (M)today?
「何があなたをここに今日連れてきたのですか?」つまり、「何の用事でこちらにいらっしゃったのですか」くらいに聞こえます。こう聞けば、「何が」を問われているだけなので、丁寧な印象を与えてくれます。場合によってはもう少し意訳すると「今日はどうされましたか?」のような意味に取ることもでき、フォーマルな場面で特に好まれる英語です。
WhyではなくWhatを使う理由
~ポライトネスは「伝え方」に表れる
「なぜ」ではなく、あえてWhatを使って「何があなたをうれしくさせたのか?」と聞くと好印象です。そのほかにも色々な気持ちを聞くバリエーションがあるので、整理しておきましょう。
「何があなたをそんなに嬉しくさせたのですか?」
What made you so sad?
「何があなたをそんなに悲しくさせたのですか?」
What made you so upset?
「何があなたをそんなに怒らせたのですか?」
“What made you so~”までは同じで、最後の形容詞のhappy/ sad/ upsetを変えるだけで、いつでもどこでも使える丁寧な表現になっていきます。