“kill”という言葉はちょっと怖いと感じる人もいるかもしれませんが、killは日常会話でよく出てくる単語です。例えば“It‘s killing me.” 「それが私を苦しませている」などはよく耳にする表現で、「苦しませる」のような意味でも使われます。恋愛映画などでも「つらい」ことを伝える時にはkillが定番です。

 このKelly Clarksonの歌詞のような、無生物主語(人を主語にせず、物を主語にする方法)の使い方は大学入試でもよく出題されます。さらにこれは、ビジネスの世界で重要な「英語の気遣い」を伝えることができるのです。実例を見ていきましょう。

「ハッキリ」が「失礼」になっては困る!
whyを使わず、whatで質問できますか?

 英語は「ハッキリ物を言う」とよく言いますが、単にハッキリ言うだけではズケズケとした失礼な言い方になってしまうため、意外と「伝え方」には気を使います。

 特に「相手を責める言い方」と「相手を敬う言い方」によっては、仕事相手との信頼関係の構築の明暗が分かれるため、意識して使い分けたいところです。これらの差別化は実は大学入試の問題でも学ぶことができます。『ゼロから覚醒 はじめよう英文法』から試しに一問解いてみましょう。

●主語がwhatでも対応できるようにする

 さっそく問題を1問解いてみましょう。次の日本文を英訳してください。ただし、whyを使わずwhatを使ってください。

 なぜあなたはそんなに嬉しかったのですか。

『ゼロから覚醒 はじめよう英文法』(かんき出版) p. 52より

 答えは“What made you so happy?” です。この問題のように、大学入試ではwhat縛りでWhyを使わせない問題が出題されます。

(S)What (V)made (O)you (so) (C)happy?
何があなたをそんなに嬉しくさせたのですか?

 なぜ大学入試の問題ではwhat縛りの英作文の問題が出るのでしょうか?これには「大学の先生たちのポライトネスに対する関心」が表れていると思います。ポライトネスとは簡単に言えば「丁寧さ」のこと。社会人として仕事をする上で相手と信頼関係を築くような話し方も含まれます。