007の主演俳優ダニエル・クレイグの
英語表現で、「感想力」を磨く

 仕上げに、比較的最近の映画の台詞から汎用性の高い表現を紹介しましょう。これは2019年の映画『ナイブズアウト』に登場します。『007』シリーズでも主演を務めたダニエル・クレイグが出演したことで話題になりました。

In fact, I find it quite pleasant sitting here with you.
実際、私はあなたとここで一緒に座っていて、とても楽しいと思っています。
映画『ナイブズアウト』より引用

 これは応用例のパターンですが、quiteが強調の副詞でpleasantにかかっており、sitting以下はitの具体的な内容になっています。こういうitは形式目的語と言い、日常会話でもよく使われます。本当の目的語(真目的語)を先取りして、一度find O Cの形を整えてしまいます。そして、詳しい情報は後回しにするという英語らしさも身につく英語です。

 これをお手本にこんな表現も作ることができます。

I found it quite pleasant talking with you.
あなたとお話できてとても楽しいと感じました。

 このように、find O Cを応用すると、帰り際にもオシャレなあいさつができるのです。英語の会話力は同じパターンをいかにうまく応用していくかなので、今回のfind O Cを磨くだけでも相当な表現力が付いていきます。

英会話がうまくなるためには
「感想」を持つことが大切

 英語を話す時に、「ネガティブなこと」でも「ポジティブなこと」でも自分の感想を普段から意識しておくと、強力な武器になります。

 英語で話す時に大切なのは「感想」を持つこと。相手に質問する時にも、深い話になるのは「何かに対する感想」をしっかり聞いてみる時だと言えます。今回のfind O Cはプレゼンの感想や映画を観た時の感想にも使えます。

 英語では「感想」を聞かれることが多々あります。例えば、次のような質問です。

What did you think of the project?
プロジェクトについてどう思いましたか?
How did you like the movie?
映画はどうでしたか?

 こういった質問をされると、多くの日本人英語学習者はどう答えていいか分からず、パニックになってしまいがちです。