成果に至るまでの行動に着目し、その価値を測ることから「行動目標」と呼ばれることもあります。

 定性目標は達成基準が曖昧になるデメリットを頭に入れておかなければなりません。したがって、どういう状態を目指すのか、具体的に示すことです。

 達成基準を定量化して数字に落とし込めるのなら、そうしましょう。

 たとえば、顧客満足度を上げるという定性目標の場合は、毎年お客様にアンケートをとれば、その回答から数値化が可能で、「前年度○%アップを目指す」というように定量目標に変換できます。

 定量・定性の使い分けは大切ですが、目標は可能な限り定量化し、「見える化」することにより、目標達成につながるのです。

組織内のみ適用の「内部目標」を設定
チームが好転する可能性がアップ

 定量、定性を使い分けて大きく打ち立てる目標ではないものの、チームのメンバーに意識してほしい事柄があったとします。そのような場合、内部目標をつくるのもひとつの方法です。

 内部目標とは組織の部内だけに適用される規定や規則(目標)を意味します。

 ちょっとした決め事を内部目標として取り組んだことにより、組織やチームが良い方向に様変わりするのは珍しくありません。たとえばH社もその変化を遂げた一社でした。

 ある企業の内部目標には「毎日相手の顔を見て挨拶をする」という項目が並んでいます。挨拶なんて当たり前と思うでしょう。

 しかし、かつて同社の営業部門では挨拶が習慣化されておらず、部内のムードを悪くしていたので取り入れたのです。

 単に「挨拶しよう」と口頭で伝えても、大抵は徹底されません。そこで挨拶の進捗状況を見える化するための専用シートをつくり、ニコちゃんマークのシールを貼りリーダーをはじめ各人にチェックしてもらうようにしました。

 これで挨拶したかどうかを自身で確認でき、同時に意識も高まっていきます。

 挨拶は2カ月ほどで部内に浸透しました。大きな声で元気よくを基本とした挨拶は、する側、される側ともに心を軽くし、晴れやかな気持ちになるものです。同社では職場の雰囲気が格段に明るくなりました。

 内部目標の内容は、組織やチームにプラスとなることなら何でもいいでしょう。どんな小さなことでも、習慣化されれば効果は必ず表れます。

 内部目標はチームや組織の目標と密接に関係するものです。したがって、結果的にチームや組織の目標達成が後押しされるのです。