会社で掲げられる目標には「経営目標」「組織目標」「個人目標」の3つがあります。経営目標は会社全体の目標を指し、組織目標はチーム、個人目標は個人に課せられる目標です。

 経営、組織、個人それぞれの目標は連動し、リーダーは経営目標を踏まえてチームの目標を設定します。

 たとえば、チームの売上目標を月200万円に設定したとしましょう。経営目標を踏まえて導いたものですが、チームのメンバーに伝えると、「ちょっとハードルが高いなあ……」などと反発を招くケースも見られます。管理職にありがちな板挟みの状態です。

 その際、安易に目標数値を下げるようなことはしてはなりません。

 数値のブレはリーダーの意思のブレを意味し、何より目標達成への熱量の低さを示してしまうため、チームの士気を下げるマイナスの影響を与えます。

 リーダーがとるべき行動は高い目標を目指す理由を、自分の言葉でチームのみんなにしっかり伝えること。その言葉が信頼を生み、熱意の表れとなってやる気を与えることになるのです。

定量目標と定性目標を使い分ける
目標は「見える化」で達成を目指す

 目標設定は、計画に基づいた年間の目標があり、それを半期、四半期、月というように、ブレイクダウンして設定するのが基本です。

 この目標をさらに分類すると、「定量目標」と「定性目標」に分けられます。どちらも会社にとって必要不可欠となります。

 定量目標とは、数値や数量で表す目標です。今期・半期・四半期・月単位の売上目標や1日当たりの商談の件数などについて、

●今期1億円の売上を達成する(前期比30%増)

●1日の新規顧客を10件増やす

 といった形で目標設定します。

 数字で表現するため、目指す目標をわかりやすく示せるのが利点です。管理の面では、「目標を達成できたかどうか」「目標達成まで何をすべきか」を把握しやすく、目標の達成状況や進捗状況を客観的に判断できるのも利点です。

 また、実績や成果について、人事評価の公平性を保てるのもメリットといえます。

 一方の定性目標とは、数値化できない目標です。顧客に対する姿勢、業務に必要な能力や資質などを踏まえ、

●顧客満足度を上げる

●コスト意識を高く持てるようになる

 といった形で目標設定します。

 目標達成に向けた行動を示すのが定性目標であり、その行動を指針とできるのが利点です。管理の面では、実績とは別の要素となる、社員の働きぶりや仕事ぶりなどを評価できるのも利点です。