2023年度の宅配便大手3社(ヤマト運輸、佐川急便、日本郵便)の取扱個数の合計が前年度比1.0%減の46億2900万個となった。3社のうちヤマト運輸、佐川急便の2社は前年割れとなり、日本郵便だけが前年実績を上回った。一昨年秋以降、原材料コストの高騰を背景に消費財を中心に商品価格の値上げが続き、消費マインドが冷え込んだことで、ECを中心に宅配需要にブレーキがかかった。24年度については、下期以降の需要回復を見込んでおり、年度トータルでは小幅な伸びにとどまりそうだ。(カーゴニュース編集部)
ヤマト、佐川がそろって前年割れに
2023年度のヤマト運輸、佐川急便、日本郵便、3社合計の宅配便取扱個数は46億2900万個となり、22年度比で1.0%減、個数ベースでは約4900万個の減少となった。
20年度以降の大手3社の取扱個数を振り返ると、コロナ初年度だった20年度は在宅が増えたことによって通販需要が爆発的に増加し、3社計で前年度比5億個増(12.4%増)の45億3300万個を記録。翌21年度はその反動減もあって伸び率自体は2.2%増にとどまったが、個数ベースでは前年比で約1億個の増加となった。さらに、22年度は下期以降需要が停滞し、伸び率が1%増の微増にとどまるとともに、3社のうち2社が前年割れになるなど成長が鈍化した。
それを受けた23年度は、22年度下期からの停滞モードが引き続き、前年割れ基調で推移。その結果、ヤマト運輸と佐川急便の2社が前年割れとなるなど、ECを中心に個人消費の伸び悩みによる減速が浮き彫りになった。