めずらしく感じるかもしれませんが、おかしい感情ではまったくないですよ。人によって心地よい親密さの度合いは違うので、付き合っているからといって、いつでも身体の触れ合いがOKになるわけではないと理解しておいてくださいね。相手の身体、とくに口や胸、お尻、性器などに、同意なく触れることは、恋人に限らず、どんな人間関係にも許されません。

――付き合っているんだから、そういうことをするのが当たり前だと思ってた。

 そう考えている人も多いと思いますが、実は違うんです。付き合っていても、相手の身体は相手のもの。じっくり話をして、ゆっくりふたりで過ごす時間も、とても愛おしく感じませんか?

――でもさ、マンガやドラマだと順序なんてすっ飛ばして、とつぜんキスするシーンがけっこうあるよ。

 でも、実際の人間関係で想像してみてください。とつぜんクラスメイトにキスをされたり、手をつながれたりしたらびっくりしませんか?好きでもない相手にキスされたら、ショックを受けないでしょうか。

――そうかも……。

 マンガでは「胸キュン」なシーンとして描かれますが、同意なくとつぜん相手に触れることは、非常に怖い状況だと思います。

――それでいうと「壁ドン」とかも怖いかも。なにされるかわかんないし。

 ここでみなさんに思い出してほしいのが、恋愛とは「コミュニケーション」という話です。相手の気持ちを尊重して、そのつどお互いに考えていることを確認しながら、関係を深めていく。そういう意味で、「恋愛の順序」というのは、相手と気持ちをそろえて歩んでいくための、ひとつの道すじになるかもしれません。

――相手と気持ちをそろえるかあ……。まだうまく想像できてないかも。

 友だちどうしでもかまわないので、まずは自分から「私はこういうことに興味があるんだけど、あなたはどう?」と話をしたり、相手の話にじっくり耳をかたむけることを普段から意識してみるといいかもしれませんね。相手のしたいこと、してほしくないことを確認しながら、相手と一緒に恋愛をするという気持ちでお付き合いしてみるのはどうでしょうか。