はい。もし、同意をとらずに身体に触れた場合、たとえあなたは相手が大好きだとしても、相手を肉体的にも精神的にも深く傷つけたり、それが相手のトラウマになってしまったりするかもしれません。

 2023年6月の刑法改正によって、これまで「強制性交等罪」「準強制性交等罪」とよばれていた犯罪が見直され、「不同意性交等罪」という名称になりました。これによって、「同意がない性行為は犯罪になりうる」ということが、より明確に示されました。また、みなさんに深く関係することで言うと、刑法では「性交同意年齢」というものが定められていて、16歳未満の人への性行為は、本人の同意の有無にかかわらず、すべて性暴力になります。つまり、大人が16歳未満の子どもに言葉巧みにセックスをもちかけ、「相手も同意してセックスした」と主張しても、それは犯罪にあたるということです。

「性交同意年齢」とは
 性行為への同意を「自分で判断できる」とみなされる年齢の下限のこと。最近まで日本の性交同意年齢は13歳と先進国の中で最も低かったが、2023年6月の刑法改正で16歳に引き上げられた。つまり、16歳未満の子どもとの性行為は、性交の事実さえ証明できれば、同意の有無にかかわらず性犯罪に問うことができる。ただし、13~15歳との性的行為については、年齢が「5歳以上」年上の場合に処罰対象となる。性交同意年齢は国によってさまざまで、アメリカは16~18歳(州によって異なる)、イギリス、カナダ、韓国は16歳、スウェーデン、フランスは15歳と規定されている。

大切なのは相手を思いやる
コミュニケーション

――具体的に、性的同意はどうやってとったらいいの?

 相手に「○○してもいい?」と聞いて、「いいよ」と了承をもらうのは、シンプルな方法です。しかし、恋愛のありかたが人それぞれ違うのと同じように、コミュニケーションのありかたもカップルによってそれぞれ違うでしょう。

 大切なのは、お互いにとって心地よく、相手を思いやるコミュニケーションをとることです。「嫌なら嫌って言ってね」、「どう思う?」と相手の気持ちを聞くのもいいですし、お互いにしかわからないサインを決めておくのもいいかもしれませんね。そして、少しでも嫌そうな感じだったり、あいまいな返事が返ってきたりした場合は、一度踏みとどまって、相手の気持ちを再確認しましょう。また、そうしたときに、相手が自分の思いを伝えやすい状況であることが大切です。