――思いを伝えやすい状況?

 たとえば年齢差があると、ふだんから年上の相手に気軽に意見を言えない関係性かもしれません。そうすると、NOも言いにくい可能性が。脅迫をしたりプレッシャーをかけたりしない「非強制性」、ふたりの力関係が平等である「対等性」、キスをしたら性行為もしていいとはならない「非継続性」、この3つを意識してみると、相手も話しやすくなるかもしれません。

――たしかに、部活の先輩からなにか頼まれたりすると、断りづらかったりするもんなあ。でも、もし断ったり嫌がったりしたら、相手は「嫌われている」って思っちゃわないかな?恋人が悲しむのが怖くて、NOって言えないかも……。

 気持ちのすれ違いが生じてしまう可能性はありますよね。断ったからといって相手のことが嫌いなわけではない、というのは、きちんと言葉を尽くして、気持ちを伝えるしか方法はないと思います。「嫌だ」とはっきり伝えたうえで、どうして嫌なのか、何が嫌なのか、好きな気持ちに変わりはないのかどうかを丁寧に伝える。性的同意を得ようとする側も、相手を説得しようとするのではなくて、気持ちを受け止めたうえで、自分の気持ちも伝えられるといいですね。

――自分の気持ちもあいまいにせずに、きちんと相手に伝えなきゃいけないね。

 そうですね。若者を対象に調査をしていると、付き合うとは性行為もOKな関係性だと認識していて、なんの疑問ももっていない人がまだまだ多いと感じます。恋愛と性が密接にかかわっていることを調査の中では感じましたが、付き合う=性行為がすべてOKではないと、あらためてみなさんにお伝えしたいです。