賃上げと同時に進む人事制度改革
降格&減収リスクに物価高の追い打ち

 というのも、一律に実力主義を導入するのではなく、ダブついた世代や職位を狙い、制度改変する企業が目立つからだ。その多くで中高年の社員を中心とした管理職が標的になっている。

 しかも、だ。企業の賃上げは続くものの物価の上昇に追い付かず、実質賃金は23年度も2.2%減と2年連続のマイナスとなった。

 つまり、「初任給も上昇、賃上げも過去最高。給料が上がるのかな……」と漫然と思っていたら、「翌年の評価で年収がダウンし出世の芽も摘まれた。出費もかさむ」という憂き目に遭いかねないのだ。

 これからは会社が賃上げを打ち出したら、裏にある意図を探る方がよいだろう。「年収が上がったからラッキー!」と緩むのではなく、「ハッパを掛けられている」と、気を引き締めるべきかもしれない。