東南アジアのチョコレート食べ歩き、味も見た目もお店も想像を超えていた現地事情写真提供:地球の歩き方

海外・国内旅行ガイドブックの決定版『地球の歩き方』から、今回紹介する記事は「東南アジアのチョコレート食べ歩き、味も見た目もお店も想像を超えていた現地事情」です。カカオというとアフリカや南米を思い浮かべる方が多いかもしれませんが、実は東南アジアでも生産されています。ミャンマー、ラオス、マレーシア、ベトナムで出合ったチョコレートやチョコレート屋をご紹介しましょう。(文/アイ・シー・ネット、監修/地球の歩き方

カカオベルトと生産国

カカオベルトカカオベルト

カカオベルト」という言葉があるのをご存じでしょうか。日本では残念ながら生産がなかなか難しいカカオは、赤道を挟んで南緯20度から北緯20度の地域を指します。ただ、この地域であればどこでも育つのではなく、カカオの最適な生育条件というものがあり、実際にカカオが生産されるのはカカオベルトに当てはまる地域の中でも、生育条件に適合している国になるのです。

 東南アジア地域では、インドネシア、ベトナム、フィリピンなどで生産されています。アフリカや南米に比べると、東南アジアのカカオはあまり有名ではないかもしれませんが、実はインドネシアは世界のカカオ豆の収穫量の約2割を占めていた記録もあるんです。今回は、ミャンマー、ラオス、マレーシア、ベトナムの4ヵ国で食べ歩いたチョコレートをご紹介します。

1. ミャンマー

 ミャンマーでは、カカオが生産されていることはあまり知られていません。オフィスの現地スタッフにおいしいチョコレートを知っているかと聞いたら、「カカオが採れないから、私たちはあまりチョコレートを食べないわ」と言っていました。確かに、ショッピングモールなどでも外国から入ってきたドーナツ屋やスイーツのお店が多く、なかなかミャンマーのチョコレートが見つけられませんでした。

アナンダ・チョコレート(表裏)アナンダ・チョコレート(表裏)

 そんななか、おみやげを買おうとスーパーに入ったら、お菓子売り場に「メイド・イン・ミャンマー」のチョコレートを見つけたのです。その名は「アナンダ・チョコレート(Ananda Chocolate)」。しかも、「ビーン・トゥ・バー」のチョコレート。

 あまり期待していなかったのに、食べてみるとこれもまたいい意味で裏切られたと思うほど、おいしいのです。筆者が購入したのはミルクチョコレートですが、普段日本で食べるミルクチョコレートよりも少しビターな感じがしました。原材料を見てみると、やはり、カカオが45%。普通の日本のブラックの板チョコが50%なので、甘いものが苦手な人でも抵抗なく食べられると思います。さらに、原材料には「努力と情熱 (a lot of work and passion)」という記載もあり、生産者の方たちの強い思いが伝わってきます。

アナンダ・チョコレート(Ananda Chocolate)
URL  https://www.facebook.com/myanmarproducts.s/?locale=ja_JP

2. ラオス

現地の店の外観現地の店の外観

 カカオベルトの地域には該当するラオスですが、実際にはあまり栽培されていません。チョコレートのお店も首都ビエンチャンですら見かけず、ちょっとおしゃれなカフェにチョコレートケーキがあるくらいです。

ブラウニーブラウニー

 そんななか、同僚とランチを食べた近所の何の変哲もない現地のレストランのレジの近くに、ぽんと置かれていた黒い物体が目に留まりました。商品名は「ブラウニー」。私が知ってるブラウニーとは違うな、と思いつつもチョコレートを見たからには買わないと気が収まらない筆者。見た目が蒸しパンのようなブラウニーを食べてみると、意外と濃厚。たまにナッツが顔を出し、またいい感じの食感を与えてくれます。見た目で判断してはいけないことを学びました。