魅力的なプライス
気持ちのいいクルマが誕生

 WR-Vは日常のパートナーとして、幅広いドライビングシーンで高い満足感が味わえるに違いない。価格を考慮すると、コストパフォーマンスは圧倒的と表現できるレベルに達している。

 とはいえ厳密に見ていくと、良路では問題ないものの、ザラついた路面ではゴーという音が大きめに響く。凹凸のある路面を通過したときに衝撃は強くないのに、音だけが思ったよりも強めに伝わるようにも感じた。また、小雨の首都高速を低速で曲がりながらジョイントを通過する際にリアの走行ラインが少し横にずれるような動きを見せたときもあった。

 安全・運転支援装備は、ホンダセンシングを標準装備。ただしACCは、全車速対応ではなく車速が低くなるとキャンセルされてしまう。制御の面でもややおぼつかないところがあった。前方車との車間距離の制御などには、もう少し緻密さを期待したい。

 それでも、前走車の発進を知らせる機能は重宝するし、渋滞支援はなくても車線維持や車線逸脱抑制機能が使えるのは助かる。ちなみにディーラーopの“リアカメラdeあんしんプラス4(3万9600円)”を装着すると、リアカメラ情報を利用し駐車時の360度ビューや後方や側方からの車両接近を知らせてくれる。これは便利だ。

 WR-Vの生産体制は、相当に気を使って品質には万全を期したという。この商品性と充実した内容で200万円台前半というプライスは魅力的だ。気持ちのいいクルマが誕生した。

(CAR and DRIVER編集部 報告/岡本幸一郎 写真/山上博也)

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