「がんばって稼いできてね!」と元気よく送り出す

 昔は田植えをするとき、歌ったり踊ったりする専門の人がいて、みんなを盛り上げたそうです。
 畦道(あぜみち)で誰かが拍子を取りながら歌って踊り、農作業をしている人たちも一緒になって歌いながら作業をします。
 つまり歌いながら作業することで、辛い農作業を楽しくしていたわけです。

 私がすべきことはまさにこれだと思いました。

 支店長や所長がいつも難しい顔をして机に向かい、挨拶もしないような職場だったら、どんなに優秀なスタッフでも、その能力を発揮することはできないでしょう。

 私がパートとして働いていたときも、そんな上司がいる事務所に帰ってくると、本当に意気消沈しました。

 逆に、私ががんばっていることを認め、仕事がしやすいように配慮してくれる上司がいるときは一生懸命やろうという気持ちが湧いてきました。駅弁販売にもよりいっそう熱が入り、売上も上がったのです。

 そんな経験をしたからこそ、パートが楽しく、気持ちよく仕事できるようにテンションを上げることが、管理職である私の役目だと思っています。

 だからパートを売店に送り出すときには、「いってらっしゃい、がんばって稼いできてね!」と送り出します。

 自分で売店に行くときには、「おはよう、売れてる?」と声をかけ、「あまり売れていません」というときには、商品の陳列を直したり、「こういうことをしたほうがいいんじゃないの?」とアドバイスしたりします。

 ときには、「今日は○○さん、きっと売り切るよ。がんばろうね」と励ますこともあります。
 ほんの5分くらいの会話ですが、「あなたのことを見てますよ。おもいっきりがんばってね」と伝えることが大切です。

 すると、パートはエンジンがかかり、一生懸命仕事をするので成果もあがります。
その成果をきちんと見て、「よくがんばっているね」と認めてあげると、仕事が楽しくなり、自分の能力をどんどん発揮してくれるのです。

 では、アルバイトをどう即戦力化したのか。
 それについては次回お話ししましょう。

次回は4月23日更新予定です。


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三浦由紀江(みうら・ゆきえ)
JR東日本グループの株式会社日本レストランエンタプライズ(NRE、旧・日本食堂)弁当営業部上野営業支店前大宮営業所長。現・上野営業支店セールスアドバイザー。97年、44歳時にJR上野駅の駅弁販売を開始。当時の時給は800円。52歳で正社員となり、53歳時に異例の抜擢で大宮営業所長となる。就任1年目で駅弁売上を5000万円アップさせ、年商10億円超を達成。以降、所長就任4年で売上を1億1000万円アップさせる。大宮駅限定のカリスマ駅弁を20種産み出すかたわら、9人の社員と110名のパート・アルバイトを束ね、6店舗を切り盛りするカリスマ営業所長として活躍。NHK「プロフェッショナル 仕事の流儀」、TBS「応援!日本経済 がっちりマンデー!!」でも紹介された。