駅弁廃棄量が6000個から2500個に激減! 
コストダウンに成功した理由

 私は自分の経験から、大宮営業所でもパートに発注をまかせました。
 すると、パートは自分の仕事ぶりが認めてもらえたことに感動し、仕事に対するモチベーションが格段に上がりました。

 社員なら1、2週間の売上データを見ながら、「どうも売れないようだから商品を変えてみようか」くらいにしか思いませんが、現場で販売しているパートは、「思ったとおりに売れない」と感じたら、すぐに商品のラインナップや発注数を大きく変えます。
 売れない商品を売るのは大変ですから、1週間も黙っていられないのです。

 たとえば、大宮駅の「駅弁屋旨囲門」で発注をまかせていたパートは、出勤前に必ず事務所に立ち寄っていました。
 自分の発注が的中したか、どのくらい廃棄があったのかを確認するためです。
 その時間の給料が出るわけではないのですが、自主的にやってくれていました。

 彼女は、駅弁が1つ売れ残っただけでも涙目になり、「所長、すみませんでした」と悔しがりました。
 商品を切らさないために多めに仕入れているので、売れ残っても仕方ないのですが、彼女は常に「廃棄ゼロ」を目指していました。

 販売スタッフに発注をまかせるようになってから、大宮駅の駅弁廃棄率は6%から2%になりました。1か月当たりの駅弁廃棄量が6000個から2500個に減りました。

 金額にすると、350万円の無駄が150万円に減ったのです。
 これは劇的なコストダウンとなりました。

パンツスタイルに制服を変更!モチベーションアップ

 パートのモチベーションを上げるためには、働くときの服装も重要です。
 大宮駅の売店では、黒シャツ、黒パンツ、赤エプロンという制服で接客をしています。この制服は私が考えました。
 こだわったのは、女性もパンツスタイルで接客するようにしたことです。

 上野駅の売店では女性の制服がスカートでした。
 スカートだと、座ったりかがんだりするときにどうしても気になります。

 パンツスタイルなら、何も気にせず思い切り動けます。
 お客様もテキパキ働いている販売員のほうが清々しく感じるはずです。

 実は、パンツだけは制服の用意がなく、自前のものでお願いしています。
 パンツの場合、ウエストだけでなく太ももなどのサイズもありますから、誰にでも合うサイズを用意するのが難しいのです。

 それでも、女性スタッフはみんな「動きやすい」と喜んでくれていますから、スカートをやめる決断は正しかったのでしょう。