その最大の要因は、同じ姿勢で座り続けることです。特に、もともと体のゆがみを抱えている人が長時間同じ姿勢のままでいると、ゆがみを修正するタイミングを失って、どんどんゆがみが強くなってしまいます。

「巻き肩、ストレートネック、反り腰」にならないもっとも簡単な方法は、同じ姿勢を取り続けないことです。1時間に1回、椅子から立ち上がって伸びをするだけでも、体の状態は格段によくなります。

柔らかすぎるマットで寝ると
体のゆがみが強調される

 同じ姿勢を取り続けると、もともと持っていたゆがみが強調されるのは寝ているときも同じです。

 就寝中は意識的に姿勢を変えることが難しいので、へたをすると6~8時間にわたって同じ姿勢を取り続けることがあります。その間延々とゆがみが強調され続けていると思うと、恐ろしいものがあります。

 同じ姿勢で寝続けてしまう人は、多くの場合、柔らかすぎるマットレスを使っています。体が沈みこむようなマットレスは心地よくはあるものの、寝返りが打ちにくいので、必然的に同じ姿勢で寝続けることになるのです。また、腰やお尻が沈みこんで弯曲が強調され、猫背や反り腰が悪化する危険性もあります。

『疲労がふっ飛ぶ!10秒ゆがみリカバリー』書影『疲労がふっ飛ぶ!10秒ゆがみリカバリー』(久保田武晴、自由国民社)

 一方、無意識のうちにゆがみを矯正するような寝方をすることで、寝ている間にゆがみが解消されるケースもあります。でも、人は「ゆがみを直す姿勢(ゆがみと反対方向の姿勢)で寝るのが気持ちいい」と感じることもあれば、「ゆがんだままの姿勢で寝た方がラクでいい」と感じることもある。体が求める姿勢で寝ることが、吉と出ることもあれば、凶と出ることもあるわけです。

 では、どうすれば寝ている間にゆがみを増強させずに済むのかといえば、やはり一番は同じ姿勢を取り続けないこと、つまり寝返りを増やすことです。

 寝返りを推進するには、硬めのマットレスを使うのが効果的です。適度な硬さがあれば、自然な弯曲を保持しつつ、寝返りの回数を増やすことができるでしょう。