学生のなかには、大学で講義を受けたら自分が学びたい分野とは違っていたとか、大学進学後に自分がやりたいことが見つかったという人も少なくありません。

 中高6年間で様々な学びに触れ、幅広い、そして外向きの視野を磨いてきた西大和生たちだけに、将来の選択肢を絞らずに大学に進み、入ってから好きな道を選べるという東大の教育方針に魅力を感じる生徒が増えたという一面はたしかにあると思います。

「トップランナー講義」で
世界で活躍する大人と出会う

 自発的に東大を志望する生徒が増えていった理由としては、西大和学園の様々なプログラムを通して、世界の最前線で活躍する大人たちや卒業生たちと直接コミュニケーションを取る機会が増えたことも大きいと思います。

 そのプログラムのひとつがAIP(アクション・イノベーション・プログラム)です。

 西大和学園では文科省の指定を受け、2014年度から4年間「スーパーグローバルハイスクール(SGH)」の活動を続けていました。AIPは、そのプログラムをさらに進化させたもので、中高6年間で国際人としての素養から実践的なビジネススキルまでを段階的かつ多面的、包括的に習得していきます。

 知性・国際性・人間性を備えた真のグローバル・ビジネスリーダーの育成。あらゆる分野で30年後も輝き続ける“プラチナ人財”の輩出。それがAIPの目的です。

 西大和学園で試みてきた教育をよりブラッシュアップさせ、体系化したものだけに、プログラムすべては紹介しきれませんが、生徒たちがおおいに刺激を受けているのが年間6名の外部講師をお招きする「AIセミナー(トップランナー講義)」です。

 起業家、研究者、投資家、クリエイター……講師をお願いしている方の活躍する分野は多岐にわたりますが、共通しているのは刻々と変わりゆく今、この瞬間にも最前線に立ち、生き生きと現場を動かしているトップランナーであることです。講師の方のなかには東大の卒業生も多いので、生徒たちは“未来の自分”にも思いを馳せることになります。このAIセミナーをきっかけに「自分も世界に飛び出して活躍したい」など、新たな夢を見つける生徒も多いのです。