なお、デジタルデトックスはビギナー向けには多くの場合、完全なスマホ断ちでなく、時間や場所、特定のアプリなどによる限定的なスマホ断ちを推奨している。筆者が挑むのは「3時間断ち」である。

 まずスマホを布団でくるんで、すぐに触れないように簡易封印を施した。いつもなら手慰みにスマホを触るようなタイミングでも、スマホが手元にないので他のことを何かしようかという気持ちが兆す。依存度合いが高いと早い段階で「触りたくで仕方ない」となるらしいが、筆者の場合はそんなことはなかった。

「他にやるべきことを」と思うと意外にいろいろあって、デスク周りや部屋の片付けをしたりして、充実した時間を過ごすことができた。普段ならスマホに吸われていたであろう時間である。

 1時間半ほどして眠くなってきたので昼寝をし、目を覚ますと3時間のデジタルデトックスは完了していた。実に平和な3時間であり、感想は「有意義だった。またやってもよい」となった。これくらいのデジタルデトックスなら、毎日の生活に取り入れてもいいかもしれない。むしろ「デジタルデトックス」と称して、公然と昼寝しまくれるライフスタイルを完成させられる。

 スマホ依存の程度が高いほど、デジタルデトックスは困難であると同時に高い効果が見込める。筆者の依存度はおそらく低いので、抵抗も効果も薄いはずだが、スマホに縛られずに動けている実感は、デジタルデトックス懐疑派であってもなかなか心地よいものであった。

デジタルデトックスをサポート
心強いアプリの数々

 次に、デジタルデトックスを実践するにあたってそれをサポートするアプリについて紹介しておきたい。しっかりと機能を使おうとすると有料のものが多いが、一部なら無料で開放されているものもある。

 多くは、「どのような条件下(時間や場所)で」「どのアプリを」「何時間まで使用を許可するか」といったことを自分で細かく設定できる作りになっている。また、使用制限の程度も設定可能だったりして、「ダメだよ」という通知が出るだけの柔らかめな制限や、完全にアプリが開かなくなる厳しめの制限、中には使用制限を破ると罰金が課せられるものもある。

「StayFree」というアプリはデスクトップPCとの連動が可能で、使用するべきアプリサイトとそうでないものをデータを見ながら決めていくことができる。最初の設定がやや手間だが、一度設定してしまえばデジタルデトックスの心強いサポートとなる。