人生後半戦に向けて今やるべきこと

 終身雇用制度が完全になくなると断言することは難しいですが、雇用形態は間違いなく変化していくことが予想されます。

 私たちは、変化する環境に適応するために、従来の終身雇用のあり方に頼ることなく自分のキャリアを自分で切りひらく必要がでてきました。より柔軟で多様な働き方を受け入れていくことが必要とされています。

 少しずつ定年が延長されてはいるものの、現状は65歳を超えると企業に居続けることは難しい状況です。多くの方は50歳、55歳、60歳、65歳の区切りで、仕事やキャリアについて考えるタイミングを持つようです。

 しかし、このように将来を考えることはあっても、実際に自分の将来のために行動を起こす人は少数派です。目の前の仕事が忙しい、まだ先で大丈夫と思っているなど、理由はさまざまですが、何をどうすればいいかわからない、という人がほとんどです。

 65歳を超えて仕事を持つことは、世間一般には難しいとされています。今までのキャリアを活かせる仕事というよりは、特別なスキルを必要としない、時間を切り売りする仕事しか見つからない、と嘆く声を多く聞きます。

 日本では、少子高齢化が急速に進行しており、2065年には生産年齢人口の割合が全人口の約50%まで落ち込むと推計されています。

 一方で、高年齢者の身体機能については、2018年には男女とも65歳以上のいずれの年齢階級においても、20年前の水準を超えている(図表1)など、高年齢者の若返りが確認されています。