調査の結果、全ての文化圏に属する89体(37.6%)のミイラで「確実な動脈硬化」、または「ほぼ確実な動脈硬化」が確認されることが明らかになった。

 動脈硬化が認められる場所を多い順に並べると、大動脈(51体、21.5%)、腸骨-大腿動脈(49体、20.7%)、膝窩-脛骨動脈(38体、16%)、頸動脈(33体、14%)、冠動脈(9体、0.4%)であった。一方、男性と女性の間(38.1%対38.5%、P=0.36)や、エジプト人と非エジプト人(上流階級に属さない者が多い)との間(39.1%対38.5%、P=0.48)には、動脈硬化が見つかったミイラの割合に有意な差は認められなかった。

紀元前2500年以前の
すべてのミイラに痕跡

 Thompson氏は、「古いものでは紀元前2500年以前に遡る全ての時代、全ての文化圏のミイラにおいて、男女ともに、上流階級の人物であるか否かにかかわりなく、動脈硬化が認められた」とし、「これは、動脈硬化が現代の生活習慣により引き起こされる症状ではないという、われわれが以前の研究で得た知見をさらに裏付ける結果だ」と述べている。

 研究グループは、「この結果は、人間には生まれつき動脈硬化のリスクがあることを示している」との見方を示している。

 またThompson氏は、「この研究は、喫煙、座位で過ごすことの多い生活、栄養バランスの悪い食事などの現代人の抱える心血管系のリスク因子が、加齢による自然なリスク増加に上乗せする形で動脈硬化の程度と影響を増大させる可能性があることを示している。だからこそ、コントロール可能なリスク因子をきちんとコントロールすることが重要なのだ」と話している。(HealthDay News 2024年5月30日)

https://www.healthday.com/health-news/cardiovascular-diseases/mummies-study-finds-heart-disease-plagued-the-ancients-too

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