肉体年齢は高くても
心が老いていない人は若い

「あの人はいつもイキイキしているね」「ハッピーなオーラにあふれているね」と人に言われるような、内面から輝きを放つような人間になりたいと思ったら、心を老いさせない努力をしましょう。

 80代、90代と肉体年齢は高くても、魂年齢が若ければ、エイジレスで容姿も若々しく見えます。20代、30代と肉体年齢は若くても、心が停止していて、エネルギーを発していなければ、老けて見えます。いくら外見を磨いても、心が老いていたら、魅力的には見えません。

「心を老いさせない」とはどういうことでしょうか。何事にも好奇心を持ち行動する。素直に感謝し、笑顔になる。想いを口に出す。新しいこと、新しい出逢いにときめく――。

 そんな自然体の姿勢が、心を老いさせないポイントです。

書影『ウェルビーイング・シンキング』(日経BP)『ウェルビーイング・シンキング』(日経BP)
高橋ゆき 著

 私の一番のお手本は、85歳になっても、心が自由で若々しい母です。電話でお友達と「紅葉を見に行きましょう」「栗ご飯が食べたいわね」と楽しそうに2時間も話しながら温泉旅行の計画を立てていると思ったら、電話を切るなり、私に「旅行のためのお小遣いちょうだい」と手を出してきます。体調を万全に整えて迎えた旅行当日は、おしゃれな洋服を着込み、昭和の女優のような帽子をかぶって出かけて行きます。

 83歳の誕生日のディナーには、「父も好きだった鉄板焼きの店に行きたい」とリクエストされました。当日、梅酒ロックを飲みながら、ご機嫌でフルコース料理を味わっていた母ですが、よく聞いてみたら、前日も同じ店でランチを食べていました。ランチは自分で支払い、値段が高いディナーは私からのごちそうと、しっかり使い分けていたのです。

 心のまま、自由に楽しく、やりたいことを貫き生きている母のウェルビーイングはとても高いはずです。「命を生ききっている」と感じます。心を老いさせることなく、丁寧に、ダイナミックに生きていきたいものです。